あと あと のあと  2013年 9月

9.30
 高校生になって、初めてのアルバイトで得たお金で、安物のクラシックギターを買った。そ
 のころ、NHK教育テレビでギター教室をしていたから、それを見ながら練習をしたものだ。
 そのうちに、フォークソングが流行りだしたから、アルペジオやスリーフィンガーに挑戦した
 のだが、自分の才能のなさが見えてきたので、それ以上のめり込むことはしなかった。
 今、部屋に飾ってあるのは「モーリス」製のフォークギター。本当は「マーチン」のやつが欲
 しかったのだけれど、とても手が出なかったから、レコードを作るときの演奏は、弦だけ「マ
 ーチン製のものを使った。
 もし時間的な余裕があったなら、ギターをもう一度習い始めたいと思っているのだが、ハイ
 コードの押さえ方すら忘れてしまっているから、かなりハードルは高いのだろう。

9.29
 知的な刺激を求めて、伊那市の「いななき学舎」が主催する公開読書会、「ドラッガーとオー
 ケストラの組織論」に行ってきた。
 これは、3日前に会員である知人からメールがあって知ったものだが、「質問をしてください」
 と言われていたから、山岸淳子さんのお話を聞きながら、質問項目をシミュレーションしてい
 た。
 しかしながら、事前に本を読んでいないのに質問するなんておこがましいし、物事を斜に捉
 える癖がついてしまっているから、異質な質問をすることによって、会場の良好な雰囲気を
 壊してしまいそうだったので止めた。
 ただ、「非営利組織」というのがまったくわからない。メンバーは、いったいどこで生活の糧を
 得ているのだろうか? もし、オーケストラから何らかの報酬を得ているのだとしたなら、その
 組織は「利益」を出さなければならないはずだ。したがって、営利団体である「企業」と、変わ
 るところはないと思うのだ。 だから、「利益を追求しない」などという、かっこいいような表現は
 やめていただきたい。
 
9.28b  
  彼岸花は、この時期田んぼ
   の土手に咲いているのです
   が、あまり日持ちがせずに、
   すぐ色褪せてしまいます。

 成長してザワザワになった人
 参の葉っぱに、ニンジン虫を
 みつけました。
9.28a
 8年前に亡くなったおばあさんは、じっとしているときがひとときもなく、絶
 えず動き回っていた。庭の取りなんか、芽が出たばかりにむしり採られ
 るので、雑が可愛そうだと思ったりしたものだ。
 そのときに比べても遜色がないくらい、庭や畑の取りはいま徹底されて
 いる。そのかわり、自宅にいるときは、朝から晩までフル稼働だ。
 今週から、庭の樹木の剪定に手をつけはじめたのだが、おじいさんに小
 言をいわれそうな気がしたので、居間で寝転んでいるおじいさんに見えな
 い場所から開始した。
 居間の前も、寝ていることを確認してからはじめたのだが、少し経ったとこ
 ろで歩けないはずのおじいさんがおっかない顔をしてやってきて、「剪定
 新しく伸びたところだけを切るんだ。庭屋さんに頼むから手をつけるな!」と言う。その庭屋さんにしても、「ろくな木
 がないから、作業をやっていても達成感がない…」と言っているくらいの、普通によくある樹木だけなのだ。
 家のまわりに何本もあるをひととおり見たのだが、みんな枝が混み入っていて、ざわざわになっているから、かな
 り思い切って剪定をした。これらを見たら、おじいさんは腰を抜かすかもしれない。

9.27
 松茸がものすごいことになっている。産直市場に行くと、松茸が山積みに
 されているのだ。収穫に対して、購入する方が追いつかないようだ。
 販売されているのは、まだ笠が開かないやつだが、「自家用で…」と声を
 かけると、写真のようなお買い得品を奥から出してきてくれる。
 写真ではそのボリュームが伝わらないかもしれないが、いちばん大きなや
 つは全長が25cmもある代物だ。先ほど手に取った友人は、感嘆の声を
 あげ、しばらく凍りついたくらいだ。 これは、12,000円で購入したもの。
 
9.26
 昨日、携帯電話に配信された全国版のニュースに、「コスモス26万本が
 見ごろ」というものがあった。安曇野市の、国営アルプスあづみの公園の
 ことである。好奇心旺盛な私は、早速行ってみた。
 晴天の日は、コントラストが強くなるために、の撮影には向いていなく
 て、薄曇りくらいがちょうどいい。しかし今日は、時折雨粒が落ちるような
 曇り空だったので、光量が少し不足しているかもしれない。
 「GALLERY」にアップするために、画像を選別していったのだが、削り落
 とすにはしのびないものが多くて、結局28枚にもなってしまった。こうなる
 と、ほとんど自己満足の世界だ。
 
9.25  
 新宿のヨドバシカメラで、ニコンのレンズフードを買った。2,080円だった。
 今回、カメラを買い換えるときのドタバタで、どこかに行ってしまったから、仕方なく買った
 けれど、実はこのフードがどんな働きをするのか全然わかっていない。そこでネットで調
 べたところ、三つの理由が載っていた。 ① 強い日差しを避ける。 ② 頭部を保護する。
 ③ オシャレする。
 単なる、撮影条件を向上させるためのツールではなかったんだ。私が今まで意識してい
 たのは③で、これを付けていると腕もいいように見えるじゃん!
9.24b  
 小田急線の新百合ヶ丘近くの居酒屋で、お客さんと20時ころまで交流会をした
 あと、大宮に移動し、さいたま新都心駅に着いたのは21時を超えていた。
 ホテルでらっくりしていればいいものを、22時から上映開始のレイトショーを観る
 ために映画館に出かけいった。
 「ウォーム・ボディーズ」は、ゾンビと人間が想いを寄せあうようになるという、非
 現実的なストーリー。あとで後悔するのなら見に行かなければいいのに、時間を
 有効に使いたいという気持ちが、このような行動にさせてしまっている。
9.24a  

 「サルビア・コネクシア」の画像を、「GALLERY」 にアップしました。

 純白の「スノーニンフ」、真っ赤な「スカーレット」、そしてピンクの「コーラルニンフ」が、自宅の庭
 で咲いています。
9.23b
       ほうれんそう
           冬菜              野沢菜            

 ぞくぞくと芽を出してきた、葉物野菜たちです。
 
9.23a
 運動会の開始を知らせる花火の音が、遠くから聞こえてくる。
 小学校のころの運動会。みんなははしゃいでいたけれど、私は運動会が大嫌いだった。そ
 れは、かけっことか徒競走とか呼ばれている種目で、6年間いつもビリっけつだったからだ。
 あるときなんか、前を走っている人が転んで、一瞬だけ追い越したのだが、その人は起き
 上がって走り出し、ゴールの前で私を抜き去った。
 どこかの学校で実施された、みんなが手を繋いで、一緒にゴールインするというのも考えも
 のだが、この時のともすれば卑屈になりそうな想いが、そのあとの性格を形成する一因に、
 なってしまったと思うのだ。

9.22b
 お彼岸のお墓参りに行ったところ、隅の方に石仏があるのに気が付いた。
 墓地といっても、地区の10戸くらいのお墓だから、そんなに広くはないの
 に、こうやってまじまじと見ることはなかった。
 野の花が咲いている中に、ひっそりと佇んでいる石仏は、どこの家の所
 有物なのだろうか?それぞれの家の墓地はきちんと区画がなされている
 から、そしてその区画の外にこの石仏は位置しているから、もしかしたら
 共有のものなのかもしれない。 
9.22a
 日が短くなったので、朝は6時頃にならないと、野良仕事ができる明るさにならない。今年4回目
 の草刈りが終わり、今日は乾いている部分を寄せて、畑の空いているところに敷き詰めた。家か
 ら場所的に遠いところのものは、土手で焼いた。
 庭の草取りも、畑の野菜の植え付けも大体めどが立ったから、土・日の午後から夜にかけて働け
 るアルバイトはないものかと、ネットを使って探したけれど、そんな中途半端な働き口は見つから
 ない。年齢が高い人を対象にしているものは、肉体労働がきつくて現実的ではないみたいだ。 
9.21
 別の部屋で寝ていた次女が気が付くくらいだから、よほど大きな声を出していたのだろ
 う。というよりも、目を開けたら、暗い部屋の中にわけのわからない人がふたり浮かび
 上がっていたというシチュエーションで、恐怖のあまり大声を上げていた。
 うなされる大きな 原因 は、何といっても日常生活上のストレスで、眠りが浅いレム睡眠
 中に脳は、本人の痛んだ心をなぐさめるようなではなく、なぜか悪を作り出してしま
 うのだという。
 いつも不安を抱え込んでいて、それをぬぐい去ることができないことからくる現象です。
9.20  
 地元の産直市場に、一斉に、し
 かも大量に、が並びだした。
 左の写真は、「ずぼう」と呼んで
 いるで、右の写真が、それを
 使った作品(すき焼き)です。
 松も豊作のようで、価格も手
 頃になっているけれど、なかな
 か買えません。
9.19
 今週は、読書用のメガネを持って出るのを忘れたものだから、本を読むことができない。新
 聞の文字はかろうじて読むことができるのだが、週刊誌になるとぼやけてしまい、このとこ
 ろ持ち歩いている「太平洋の試練(下)」になると完全にお手上げだ。
 先日の、眼科医の定期検診で測定した視力は、0.6しかなかった。これでは、次の運転免
 許証更新のときには、「眼鏡等」という条件が付けられるのは必至だ。
 昔から、「ハ・マラ・メ」という順序で衰えていくといわれているが、前のふたつはすでにいか
 れてしまっており、徐々に弱くなっていた視力が、限界線を越えつつあるということだ。
 なかなか受け入れることができない「老化」を、こうやって事実として示されているわけだ。
 
9.18  
 東京・有楽町のピカデリー1は、ほとんど満席状態だった。観客は、私よりも年上ら
 しい年配の方々。今の若い人たちは、わざわざ映画館まで足を運んで、この手の
 画
を見ることはないのだろう。 
 クリント・イーストウッドが監督と主演をしたアメリカ版はもちろん観ているし、いろい
 ろな場面を覚えているから、どうしてもそれと対比してしまうが、決して遜色のない出
 来の作品になっている。
 1年前から、北海道でオールロケが敢行され、現地の大自然を取り入れた、スケー
 ルの大きな映画だ。日本でも、このような映画が撮れることに安心したし、CGを採
 用しない画面の方が心に染みてくる。
 特に印象的だったのは、明治維新の時代の、粗末な衣類や家屋などが、あちこち
 に表現されていること。人々の生活が「豊か」になったのは、つい最近のことだ。
9.17
 カーリングの女子日本代表決定戦のテレビ中継を見て
 いたところ、ハーフタイムのニュースで、JR中央線相模
 湖駅の脱線事故が報じられた。
 茅野駅に問い合わせたところ、あずさも運転を見合わせ
 ていて、14時前には動くことはないという(結局終日運
 休になった)。
 夜、千葉県の工場に入らなければならないのに、これで
 は移動することができないではないか。そこで思いつい
 たのが、高速バスを使うことだ。
 バスを予約するときに訊かれたのは。「ひとりだけシート
 にするかどうかというもの。これは運賃に1,000円を加
 えると、ふたつの席を独占できるというもの。迷わずにそ
 れを選択したのは、狭い車内で、隣に人がいるといないとでは、ストレスのかかりかたが違うからだ。
 写真のように、最後尾の席だけが「ひとりだけシート」になっており、そこだけにAC100Vのコンセントも備え付け
 られていた。途中で渋滞にはまり、新宿に到着するのは遅れてしまったが、あまり好きではない高速バスでの移動
 が、今日は快適なものになった。
 
9.16b  
 台風18号の直撃を受け、畑に
 も被害が生じた。
  倒れてしまったモロッコイン
   ゲンの棚。
      葉が折れてしまった、レタ 
      スの苗。
 今日が移動日でなくてよかった。
9.16a
   来世も 一緒になろうと 犬に言い      「シルバー川柳3」  ポプラ社  の表紙からいただきました。

9.15  
 お揃いの腹巻きをしている、アンパンマン兄弟です。
 琉くんは、新日本プロレスの選手の名前をほとんど覚え、それぞれの決めポーズまでしてくれま
 す。いちばんのお気に入りは、「世界一小ずるい性格」キャラクターのタイチ選手。私がテレビを
 観ていると、「タイチを見る!」と言って、録画してあるものを再生することを要求します。
 舜くんは、普段いちばんそばにいない私になぜかなついて、抱っこをすると安心しきったようにく
 つろいでいます。まだ一歳になったばかりなのに、「アンパンマン」と正確に発音することができ、
 お兄ちゃんと比べると、何事においても成長が早いようです。
 お休みの日は、この子たちとふれあっている時間が多いので、私の「生産性」は低下してしまい
 ました。
9.14  
 我が家の畑は土目が悪く、土がさらさらし過ぎていて、雨が降ったあとに
 乾燥すると、コチコチに固まってしまう。
 その畑の土壌を改善するために、堆肥を沢山作っているところです。今ま
 では刈った草は土手で燃やしていたのだが、こうやって集めて、腐熟を速
 めるために石灰窒素を振って、着々と準備が進んでいるところ。
 これと、秋から冬にかけて散ってくる落ち葉を集めた堆肥が、野菜たちの
 貴重な栄養源となります。
9.13
 最近、朝、おじいさんが散歩をするようになった。「歩く練習なんかしてもしょうがない」とってい
 たのに、どのような心境の変化なのだろう。
 はじめのうちは長靴を履いていたが、今は介護用の運動靴を履くようになった。この靴にしても、
 「靴下を履くと滑るから使わない」とっていた。そして、「買う前にってくれれば反対したのに」
 とまでった。とにかく、うことなすこと、可愛くないのだ。
 横になってばかりいても気分は晴れないから、散歩がいい気分転換になってくれればいい。
 
9.12  
 年柄もないからと自制している
 けれど、AKB48のコンサート
 に行きたいし、ミュージックビデ
 オも欲しい。
 地上波のテレビを観ることがほ
 とんどないから、彼女たちとの
 出会いの機会もないのです。
9.11
 少しでも空いた時間ができると、まずは映画を見ることを考える。
 そして、上映開始時間のタイミングが合う映画を見ることになる。
 今日は、10分後に始まる「マン・オブ・スチール」を見たのだが、
 これがつまらない作品で、1時間くらい経ったところで映画館を出
 てしまった。
 よく確認しないで入ったからいけないのだが、まずは日本語の
 き替え
であったこと。いつもは、どんなにタイミングが合ったとして
 も、吹き替えの作品を見ることはない。
 次に、スーパーマン誕生の物語だというが、今はやりのCGが派
 手な戦闘シーンが表現されているだけだったこと。スーパーマン
 の魅力は、
もっと人間的な部分にあったのではなかったのかい。
9.10
 東京に出て来たときの夕食は、かなり高い確率で「日高屋」に行く。そして
 注文するのは、生ビールと、餃子と、肉野菜炒めの単品。たまに、ニラレバ
 炒めを頼むときもあるが、これで合計金額は990円だ。
 しかしながら、駅の一等地に店を構えているので、夜7時を過ぎると満員で、
 一人の客はカウンターで狭苦しい思いをするしかない。
 「速達生」を知ってから、生ビールにはうるさくなっているが、「日高屋」のそれはジョッキを冷やしすぎの感がある
 けれど、まあまあ美味しく飲めるのです。
 

9.9  
  稲刈りが始まりました。
  左の写真は、自宅から河原に
  広がる田んぼを展望したもの。
  左の写真はお隣さんの田んぼ
  の稲穂です。
  耕作者の話を総合すると、今年
  はどうやら豊作のようです。
9.8
 今日は朝からが降っていたので、少しだけ寝坊をして、午前中は持ち帰っていた仕事を片付けた。
 午後は久しぶりにゴルフの練習に行ってから、「ゴルフ5レディース」で吉田弓美子がプレーオフで勝つの
 を見て、火の鳥JAPANがタイに気持ちよく勝った最終戦を見て、仕上げは「18U・ワールドカップの決勝
 戦」
だったが、残念ながら日本の高校生たちは力及ばなかった。
 そんなわけで、典型的な休日の過ごし方だったが、最近は、野良へ出ることがないと、もったいない過ごし方をして
 しまったと、思ってしまうのです。 
 
9.7
 台湾で開催されている野球の、「18Uワールドカップ・2次ラウンド」。昨夜のキューバ戦を
 見ていて感じたのは、選抜された高校生たちのレベルの高さだった。走・攻・守ともにすぐ
 れた戦いぶりで、あのキューバにコールド勝ちを収めた。
 これで決勝戦に進むことが決まったわけだが、今夜のアメリカ戦も見たくなるのは当然の
 成り行きだった。ところが、エラーはするは、素っ気ないスイングをするわで、4対10という
 大差で負けてしまい、いいところがひとつもなかった。
 明日は、このアメリカと決勝戦を戦うわけだが、アメリカは今日は主力選手をほとんど休ま
 せている。だから、暗雲が立ちこめているわけだ。
 これが、わざと「死んだふり」をしていたのだとしたらすごいことだけれど、そんなことは考え
 られないないから、「負けてもいい」という気の緩みが、どこかにあったのだろうか……。
 

9.6
 屋久島の縄文杉に会いたいと思って、ネットでトレッキングツアーを検索
 してみたところ、参加条件は小学1年生から60歳で、それ以外の方は相
 談してくださいとあった。

 縄文杉ツアーは、決して楽なトレッキングコースではなく、「トロッコ道」と
 「登山道」を片道11km登り、ようやく対面を許され、往復22kmおよそ
 10~11時間かけて歩く長く厳しい道のりだから、旅行業者としてはリス
 クを少しでも回避したいというのはわかるが、自分が対象外になっている
 ことが、少なからずショックだった。
 私も、他人に迷惑をかけることは本意ではないから、一旦あきらめです。 
9.5  
 自分の小隊員を見たとき、私は言葉を失った。みんなぞっとするような目をしていた。
 人間の目ではなく、豹か虎の目だ。……前線に長くいればいるほど、目つきは悪くな
 っていった。
 到着したばかりの日本の徴集兵は、中国人捕虜を銃剣でつき殺すことを強要された。
 犠牲者は目隠しをされ、杭に縛り付けられている。心臓のまわりに円が描かれ、兵
 士はそこを避けるよう命じられた。犠牲者の苦痛を長引かせるためである。背筋の凍
 るような加入の儀式にひるんだ者は上官から蹴られ、殴られ、つかれた。
 誰もが3ヶ月で鬼になった。兵士たちは人間性が抑圧されているときだけ勇敢に戦え
 る。そうわれわれは信じていた。それは日本での訓練の自然な延長だった。それが
 皇軍だった。

    「太平洋の試練 真珠湾からミッドウェイまで (上)」
               イアン トール 著  村上 和久 訳 から抜粋しました。
9.4
 東京駅を出発した新幹線は、少し走ったところで、「岐阜羽島あたりで大雨が降ってい
 るために、その区間での運転を見合わせています」との車内放送があった。そして、新
 横浜に着いたところでその新幹線も動かなくなり、走り出したのはそれから2時間51
 分後だった。
 私のように、指定席に座っている人は退屈するだけで済むが、ホームで次の新幹線
 待っている人たちは、立ちっぱなしの状態が続き、その人数は徐々に増えてくる。
 「何万人の足に影響した」などというニュースを、今までは他人ごとのように聞いていた
 が、いざその場面に自分が遭遇すると、何もできない事がもどかしくなっても、それを受け入れるしかないのです。
 
9.3  
 この感動的な場面に出会ったのは、昨日の朝のこと。少し前に蒔いた大根
 ら一斉にが出ていたのだ。
 教科書通りに、1cmの深さの穴をジュースのスチール缶を使ってつくり、土を
 被せた上には芝の枯れた葉を乗せた。本当は小糠(こぬか)って書いてあった
 けれど、家にはないからそれの代用です。
 これから、3段階に分けて間引く作業を、お嫁さんにお願いしました。
9.2  
 今年は、いつもの場所に、女郎花(おみなえし)の花が咲かなかった。どうやら、春先の草取り
 のときに、引っこ抜いてしまったようだ。
 草取りと、草刈りと、野菜作りに追われながらの作業だったために、雑草と女郎花とを見分け
 る余裕がなかったからだ。
 お盆によく飾る花のイメージとして、私の中では秋の七草のひとつの女郎花が、圧倒的に大き
 な位置を占めている。
 いつもの場所に、いつもあるものがないというのは気持ちが悪いから、おばあさんの実家から
 ひと株分けてもらい、その場所に植えることにした。
9.1  
 「BS日テレ」の、「コロッケ千夜一夜」に出演した西郷輝彦は、人間的な
 魅力にあふれた「大人」になっていた。
 デビューから50年経って、66歳になった彼は、好奇心がいっぱい満ちて
 いるようなまなざしで、まるで少年のような表情をしていた。
 「月のしずく」は、1968年に発売された曲で、なぜだか心の中に残ってい
 て、9月という季節をイメージしていたところ、メロディが頭の中に浮かんで
 きました。