あと あと のあと  2013年11月

11.30
 末になると、このホームページの表紙にあるブログ「足あと・爪あと・夢のあと」の内容を、サブ
 ページに移す作業が発生する。そして新しいの枠を作成し、その時々に思い浮かんだ歌の歌
 詞を入れ、できるだけユーチューブの動画とリンクさせるようにしている。
 ところが、このサイクルがあっという間に訪れる。ついこのあいだ10が終わったばかりなのに、
 もう11も終わってしまうなんて、なんだかやりきれない。
 仕事を終えて名古屋から帰って来たけれど、風邪の症状が最悪だ。  

11.29
             プラズマテレビの画面の左上に、長さが30cmくらいのタテ線が目立つようになった。
 これは、いよいよ寿命が来たかとあきらめかけたところ、知人がネットで次のようなメ
 ーカーからの告知があるのを探してくれた。 

 「この度、2005年10月より生産販売いたしましたプラズマテレビの一部製品におき
  まして、部品の取り付けにバラツキがあり、画面の右上または左上に細い縦線が出
  る症状が発生する可能性のあることが判明いたしました。安全上には何ら問題ござ
  いませんが、弊社といたしましては、お買い上げいただきましたお客様を対象に無
  償点検を実施させていただきます。対象機種をご愛用のお客様におかれましては、
              下記の専用フリーダイヤルへご連絡いただきますよう謹んでお願い申し上げます


 早速連絡をしたところ、担当の方はすぐにとんできてくれたけれど、部品か届くのは3週間後になるということで、今
 週の水曜日にやっと修理が終わった。私は立ち会えなかったが、聞くところによると、部品はユニット単位でガバっと
 交換したようだ。じっくり大画面を楽しんでいる時間はなかなか取れないけれど、余分な出費が発生しなくてよかった
 と思っている。
 
11.28  
 風邪が、私の体に住み着いてからほぼ一週間になるが、なかなか去ろうとしてくれない。チビたちが密着
 してきてうつしてくれたものらしい。症状は、悪寒と喉の痛みと倦怠感だ。
 一昨日は、ホテルの浴槽で腰湯を30分くらい行い、体はポカポカになったのだけれど、そのあと冷房完
 備の食品工場に入ったために、逆効果になってしまったようだ。
 今日、点鼻薬が切れかかっていたので、薬局に入って買おうとしたところ、「風邪」のコーナーの葛根湯
 目に入った。そうだ、今まで風邪をひきそうになった場合、葛根湯を飲んで食い止めていたではないか。
 今回はそれをすっかり忘れていた。
 早速購入して、空きっ腹の状態で1本飲み干したけれど、これで、風邪くんとおさらばできるだろうか。
11.27
 沢田研二と加橋かつみの対立は、本人たちは意識しなかったにせよ、表現行為とはどうあ
 るべきものなのか、そして大衆性とは何なのかという、ポピュラー音楽をめぐる根源的な問
 題をはらむものであった。この対立は個人的な好き嫌いを越えて、当時の時代状況を映し
 出したものであり、容易に解決することのできない難問であった。さらに、アイドルとしての
 人気をどのように受け止めるかという点でも、沢田と加橋は対照的なコメントを出していた。

 沢田は、「結局今のタイガースの沢田には、ガールフレンドをもつことは許されないとしか思
 えない。だからあまり考えないようにしているんです」と、暗い表情を見せながらも、できる
 限りアイドルとしての自分の役割を受け容れようとしていた。

 他方、加橋は「恋人のいない人生なんて、人生じゃないですよ。ぼくは、チャンスがあれば
 どんどんつくります」と公言し、アイドルの虚像とは異なる自分を芸能界の中で貫こうとして
 いた。加橋は、「音楽家としてだけでなく、一個の人間として、はっきり自分の思想なり哲学
 を確立したいというのが、ぼくの念願なんです」という考えを、次第に明確にもつようになっ
 ていった。

 それは沢田と加橋のあいだの個人的な性格の違いにとどまらず、他のメンバーもまた、芸
 能界でアイドルを演じなければならない以上、多かれ少なかれ同じような悩みを抱えてい
 た。沢田と加橋、対極を示すふたりの生き方のどこか中間地点に、彼らもまた自分なりの折り合いがつけられる場
 所を見いだそうと模索していた。
 そして、沢田と加橋の亀裂が決定的になる事件が起きる。

         「ザ・タイガース 世界はボクらを待っていた」  磯前順一  集英社新書  から抜粋しました。
 
11.26
 1970年11月26日、20歳だった私は、茅野市の中央病院に入院していた。
 それまでの1年間、「総評全国金属原電気支部」の「青年婦人部機関紙班」の班長を
 努めていた私は、班のメンバーと一緒に、ガリ版刷りのB5サイズの「ふしあな」という
 名前の「機関紙」を毎週発行していた。それも、会社の門のところで、出勤してくる人た
 ちに「朝ビラ」として手渡しするという、それまでにはなかった手法を使っていた。
 発行する前夜は、ガリ切りと印刷でほとんど徹夜状態だった。そんなことが1年間続い
 た結果胃潰瘍を患い、入院する羽目になったのだった。
 その日の新聞の一面には、三島由紀夫の割腹自殺の報道が大々的になされていた。
 現場を撮影した写真の片隅には、介錯を受けた三島の生首が転がっていたのを今で
 も覚えている。
 今だから言えることだけれど、胃潰瘍の治療というよりも、会社に対する「抵抗勢力」と
 しての「ふしあな」を出し続け、その間にあった批判の渦から逃避するために、病院の中に閉じこもりたかったという
 のが、その当時の偽らざる気持ちだった。 そんな自分の中の弱い部分を、今でも抱え込みながら生きています。
 
11.25
 民生委員の就任式の通知が来た。これによって初めて知ったのだが、正式
 な名称は「児童民生委員」と称するようだ。ひとり暮らしの老人のケアーに尽
 力すればいいと思っていたのに、これで何をすればいいのかが、なおさらわ
 からなくなってしまった。
 その通知に、「任期期間中は事務局に印鑑をお預かりしております」と書か
 れていた。その下に、「社会福祉委員としての報酬は、口座振り込みによっ
 て行います」とあるのに、いったい何に印鑑を使うのだろうか。今では、口座
 振り込みの場合は、領収のための印鑑を押すという作業は、全くといってい
 いくらいなくなってしまっているというのにだ。
 まさか実印を預けるわけにはいかないし、銀行印だって手元に置いておか
 ないと何かの場合に困る。となると、市販の三文判を用意しなければならな
 いことになる。印鑑を預けることに納得したわけではないけれど、ホームセンターに行って買ってきた。その値段は、
 なんと88円だった。
 
11.24  
 昨日、コースレコードの64というスコアでトップに立った森田理香子が、昼ころの速
 報ではダブルボギーをひとつたたき、なんと5位に順位を下げていた。だから、半分
 あきらめながらテレビの録画中継を見始めた。
 あきらめようとしていたのは今年の賞金女王で、この「大王製紙エリエールレディス
 オープン」の前までに横峯さくらに抜かれており、この試合で優勝しなければ、首位
 に返り咲くことができなかったからだ。
 そして圧巻だったのは、17番ホール・パー5のイーグルパット。20mの超ロングパ
 ットを沈めてしまったのだ。これには鳥肌が立つ思いだった。
 今年のトーナメントの初戦に優勝したときに、「賞金女王を狙う」と宣言して以来、ず
 っと応援し続けていたが、昨日も今日も、テレビの中継を見ながら、自分のことのよ
 うにはらはらドキドキしていました。さあ、週末の、本年度最終戦が勝負です。
11.23
 人参を収穫した。我が家の畑は土目が悪いので、普通の人参だとのびの
 びと成長しないのではないかと思ったから、これは「5寸人参」だ。
 種を蒔いてもうまく芽が出ないところがあって、間引いたものをその場所に
 移植したりして、決して順調だとはいえない出足だったが、10月頃からは
 どんどん成長して、太いものは径が8cmにもなった。
 冬場の保存方法をネットで調べた結果、発泡スチロールに籾殻を入れ、そ
 の中に人参を収めるやり方にした。
 全部でこの写真の5倍くらいの量だから、沢山採れたのはいいけれど、と
 ても食べきることはできないだろう。
 
11.22
 中島みゆきの最新アルバム、「十二単 ~ Singles 4
 ~」が届いた。
 シングルコレクションだから、今までに買ったCDのど
 こかに入っているはずだけれど、そんなことにはお構
 いなしに買ってしまう、そんなファン心理を、ベストア
 ルバム
というのはうまくついている。
 それにしても、Amazonが17%も値引きしていると、
 「まともに」買うことがばからしくなってしまうではない
 か。
11.21  
  終(つ)いのとき 着せてもらはむ白絹の 衣(ひとえ)わが手に 今日仕上げ置く

  白無垢の 着物仕上げて旅立ちの 心安らに 余命送らむ


 裁縫が得意な85歳だった故人は、旅立ちの着物も自分で用意してありました。そこに
 添えられていた短歌、2首です。
 短歌を作ることをライフワークとされていて、その腕前は、「昭和万葉集」にも収録され
 るほどでした。
 「他人に迷惑をかけない」という生き方は、今回の、突然の亡くなり方にも現れていま
 す。
11.20
  自称「褒められて伸びるタイプ」である部下との接し方に悩んでいます。15歳ほど年
    が離れているので、基本的に話が合わない面もあるのですが、ちょっと苦言を呈する
    とこの世の終わりかと思うくらい、目に見えて落ち込むので参ります。厳しく接したい
    のですが、会社に来なくなってしまうのも困りますし……。

                                       (40歳 ・ 男 ・ 会社員)

  課長さんか、部長さんかわかりませんが。あなたね、部下が「自分は褒められて伸び
    るタイプです」なんて言ったのを鵜呑みにしたの?いやそれ以前に、そんなこと部下に
    言わせてどうするの?
    基本的に話が合わないって、当たり前でしょうが。上司に、自分は褒められて伸びる
    なんてことを口にする輩と、基本も何も、話が合うわけないじゃないの。
    少し注意すると、この世の終わりのように落ち込むって、そんなこといちいち気にして
 どうするの?その部下もおかしいけれど、あなたもおかしいでしょう。
 百歩譲って、あなたはやさしいこころの持ち主だとするわナ。それで、叱ると会社に来なくなるんじゃないかって?
 うん、やっぱり二人ともおかしいわ。二人で会社やめてどこかへ旅にでも行った方が会社のためになると思うよ。


           「伊集院静の『悩むが花』」    「週間文春」  11月21日号から抜粋しました。
 
11.19
 電車の中にいて、電話に出られないことがわかっているときは、携帯
 電話を「公共モード」 に設定をしておく。電話をかけた人が、それとなく
 察して欲しいからだ。
 今夜は、新宿湘南ラインの車中で、自宅から1分おきに着信があった。
 こんな時はたぶん良い知らせではないから、不安がつのるばかりだったが、新宿駅に着いて電話をかけ直したとこ
 ろ、案の定不幸の知らせだった。
 私の祖母の実家の「おばさん」が亡くなったという。つまり、父の従姉妹にあたる方だ。ひとり暮らしだったため、日
 曜日に亡くなったらしいのに、発見されたのは今日になってからだという。
 つい先日、叔母のお葬式の引き出物を届けたばかりだった。私たちが到着するのを玄関の所に座ってじっと待って
 いたようで、そのときの表情が目に焼き付いていて離れない。
 
11.18
 今日中に仕上げなければならない仕事があるというのに、大宮駅に到着すると、
 映画のスケジュールが表示してある看板の所に、自然と足が向いてしまう。「愛と
 狂気の王国
」を観たいと思ったのは、移動してくる「あずさ」の中で、週刊誌に掲載
 されている記事を読んだから。
 ところが、「MOVIXさいたま」は観客がたったのふたり。先週の16日(土)に封切
 りになったばかりだというのに、いったいどうなっているのだろうか。
 饒舌な宮崎監督の口からは、意味深な言葉が次々と発せられる。ただ、「風立ち
 ぬ」には反戦の意味が強く込められているというのに、私がそれを感じ取れなかっ
 たのはなぜだろうか。
 「無口な人は、決して大人しいからではなくて、頭がよすぎるからだ」ともおっしゃっ
 ていたけれど、彼の口からそんなことを言われても、少しも説得力がない。

11.17
 木曜日あたりから庭屋さんが入っているが、途中に雨の日があったので、
 作業が今日までずれ込んでしまっていた。
 樹木の剪定をすると、おびただしい量の切れ端が発生する。それを今ま
 ではおじいさんが片付けていたのに、今年からは私が処理をしなければ
 ならなくなったわけだ。
 明日は移動しなければならないので、なんとか今日中に片付けたかった
 から、迫ってくる雨との闘いだった。しかし、結局、庭屋さんも終わらなか
 ったので、明日の朝の「楽しみ(?)」が残ってしまった。 
11.16
 携帯電話の機種を変更した。スマートフォン全盛の時代に、従来型の携帯電話を新
 規に購入する人など、圧倒的な少数派なのだろう。
 今まで使っていたのは長男から貰ったもので、電池の持ちが悪くなったのでパックだ
 け交換してもお金がかかるからと、機種まで変更してしまったもの。
 12月になれば新製品が出ると言われたけれど、機能にはあまりこだわらないから、
 そのお店に在庫としてあったものに決めてしまった。
 私には、スマートフォンを使う必然性がない。新たに操作方法を覚えるのも面倒くさ
 いし、絶えず画面を見て指を動かし続けている人を見ると、嫌悪感を覚えるくらいだ。
 携帯電話には、電話と、少しだけメールの機能があればいい。弟は、携帯電話を持
 たない主義だが、私もそれに近づきつつあるのだろうか。
 
11.15  
 山梨県の下部温泉に来ている。
 今日は、静岡県の富士宮で、「日本鍛圧工業会・中小企業青年
 委員会」のみなさんを対象にしたセミナーを実施した。
 鍛圧とはプレス機のことで、青年委員会だから、次代の経営者の
 みなさんが対象になったわけだ。
 テーマにしたのは、「会社の運営に行き詰まる前に読む本」に書
 かれている内容で、全73項目の中から興味あるものを参加者の
 みなさんに選んでいただき、それについての解説を加えていくも
 のだった。
 事業を継承している、若いみなさんが日本を引っ張っていきます。

11.14
 私は常に第三者の冷静な眼で日本と韓国を見るようにしています。
 今、最も心配しているのは、戦後の韓国で生まれた「ハングル世代」は、ハングル以外の文字
 で書かれた過去の歴史書を読めない、ということです。本書で述べたように、朝鮮半島の歴史
 書は漢字で書かれてきましたが、そうした第一次資料にあたることができなくなっているのです。
 戦後のハングルに書き直された歴史しか与えられない世代の韓国人が、はたして真の歴史を
 知ることは可能でしょうか?
 中華帝国の千年属国であったことを否定し、漢字文化を抹殺し、「日帝三十六年」における日
 本の貢献を否定する。そうした前時代の完全否定が、歴史への無知と独善的な曲解の再生産
 につながっているのではないでしょうか。しかも、その傾向はますます強くなっているように思え
 ます。
 日本人がしっかりと歴史の真実を知り、事実と異なることに対しては毅然とした態度で反論す
 る、そうした態度こそが、これからの日韓関係にとって非常に重要なのだと考えています。


       「韓国人に教えたい 日本と韓国の本当の歴史」  黄 文雄  徳間書店  から抜粋しました。
 
11.13
 948席ある「TOHOシネマズ日劇」には、センター通路の後ろがほとんど満席かというくらい
 たくさんの観客が入って、ものすごい盛況だった。
 「清洲会議」の、歴史的な事実はよく理解していなかったけれど、秀吉のしたたかさを十分認
 識することができたし、なにより秀吉を演じた大泉洋の存在感が光っていた。
 エンディングのクレジットでは、出演者名はアイウエオ順で表示され、原作・脚本・監督の三谷
 幸喜の名前もその中にまぎれ込んでいるという、「格を無視した」考え方に好感が持てました。
 アンパンマンの声を担当している戸田恵子の名前が出て来たけれど、どこに顔を出したのか
 まったく気が付かなかったよ。 
11.12
 今朝の、駒ヶ根の気温は、-2℃まで下がったようだ。そのために降りて
 きた霜で、夏野菜のピーマンや
 ナスは壊滅的な打撃を受けた。
 それに比べると、昨日植えた越
 冬キャベツの苗は、か弱い風体
 をしているのにピンピンしている
 し、ほうれん草なんかはなおさ
 ら元気で青々としている。
 どの野菜にも、同じ負荷がかか
 っているはずのに、この寒さに強
 い弱いの差は、いったいどこからきているのだろう。なんだか不思議だ。
 
11.11
 最近、琉くんが「トムとジェリー」に凝っていて、CSで24時間ぶっ通しで放映された
 動画を録画してあった。それを、この4日間でDVDに焼いた。
 DVDは、60分しか収録できないから、まず2時間の番組のあちこちに入っている
 コマーシャルをカットして、それを2分割した。
 ダビング
は等速でしかできなかったから、延べ24時間かかり、DVDの枚数にして
 24枚にもなった。さらには、インターネットでラベル用に編集してある画像をさがし、
 全部に異なる画像を印刷した。
 別に時間をもてあましているのではなく、他にもやらなければならないことはいっぱ
 いあるけれど、こうやって区切りをつけないと、気持ちが悪くて仕方がないから困っ
 たものです。たいへんなエネルギーを必要とする作業だったが、孫のためならエンヤコラなのでした。
 
11.10
 4年ぶりくらいに、常会のゴルフコンペに参加した。
 毎年春と秋に一回ずつ計画され、毎回ふたりが交替で幹事を務めるのだが、私
 が幹事をしたときに、直前になって出られなくなってしまったことがあった。これで
 は、幹事になっても迷惑をかけるだけだから、もう少し余裕があるようになってから
 参加しようと、しばらく顔を出さなかったもの。
 ところが今日は、始めてしばらくしたら雨が降り出して、ハーフを終えるころには雨
 脚が強くなってきた。このまま続けていると体調を崩しそうだったので、午前中でリ
 タイヤさせていただいた。
 それにしても、うまく打てなくて、ストレスがたまるばかりだ。何事も中途半端にな
 るのは好きではないから、こんど行きつけのゴルフ練習場で開始されたゴルフレッ
 スンに通って、もう一度基礎から勉強してみようと思っている。
 
11.9  
 柿のっぱはほとんど散り落ちてしまった。ただ、一斉に散るのではないから、毎日
 ホウキで掃き集める作業が必要だった。しかしそれは、アスファルトで舗装された庭
 の部分しか対応できなかったから、それ以外の場所は手で拾い集めることになった。
 今までに、もう何回拾ったことだろう。全部散ってからやればいいかと思われるかもし
 れないが、それを待っていると落ちたが朽ちてしまうからと、週末になるたびに作
 業を繰り返していた。
 でも、さすがに今日は寒くなって、長時間外にいることがきつい。

11.8
 家に帰って来たところ、中央アルプスは白い衣装をまとっていた。初冠
 雪だ。
 
長野県は南北に長い県だから、紅葉の時期が長期間に渡っているのだ
 けれど、新聞の「紅葉便り」を見ると、ほとんどのところがもう「落葉」にな
 っている。
 信州の秋は駆け足です。山から里へ、雪に追いかけられるように紅葉
 駆け下りてきます。 ……ということです。 
11.7
 冬の間に履いていたズボンをクリーニングに出して、クローゼットに吊して
 保管しておいたところ、虫が食って穴が空いてしまっていた。

 クローゼットには「パラゾール」を何個も吊し、扉を開放しっぱなしになるこ
 とがないように普段から注意していたのに……。気に入っていたズボン
 ったからなおさらショックが大きい。
 今までも、スーツやズボンが何度となく被害に遭ったから、購入するとき
 にウールの比率が少ないものを選んでいるのだが、それでもこの状態だ。
 仕事のときに履くズボンなので、継ぎ当てをしてというわけにもいかない
 から、これは捨ててしまうしかないのだろう。

11.6  
 いつの時代も新しいカルチャーが出現し、急激に世の中に浸透していくときには、旧世代が理
 解できず、誤解や、偏見や、嫉妬がはびこり、パッシングが流行する。
 
漫画が子供から若者に浸透し、急速に市場を拡大していく過程でも、知識人やマスコミやPT
 Aや教育関係者から、パッシングが噴出。悪書追放運動でやり玉に上げられ、学校の校庭で
 焚書までされたこともあった。

 
シングル曲を出せばミリオンヒットを次々に放っているAKB48も、もはや社会現象になり、世
 間では誤解や、偏見や、嫉妬が渦巻いている。

 オヤジ雑誌が若者の流行を叩くのは世の常だ。ビートルズもグループサウンズも長髪というだ
 けで全世代に叩かれた。特にネットの時代になって、便所の落書き並の誹謗中傷が、平然と
 拡散するようになったために、パッシングは加熱するばかりだ。
 
一度持った「偏見」が「悪意」に転化するのは、格差が拡大して、貧困層の閉塞感が増し、60万人のニートがネット
 の前でストレスを発散する昨今の荒んだ社会現象が根底にある。

 
わしもかつては、AKB48の卒業ソングしか聴いていなくて、良さが全然わからなかった。そう思っていたが、わざわ
 ざ批判することはなかった。関心ないなら黙ってりゃいいからだ。

 ところが2009年10月、「カウントダウンTV」で「RIVER」のPVを見て衝撃を受けた!それは「制服ロリコン」という
 偏見を、完全に打破した楽曲だった。高橋みなみの号令とともに、自衛隊のヘリを背景に踊り出す少女たち。戦闘
 服で泥の河を渡る少女たち。次々にヘリに乗り込む兵士の装備をした少女たち。映画「地獄の黙示録」のように河
 の中から立ち上がる少女たち。
 
なんというカッコ良さだ!少女がこんな演技をするなんて画期的じゃないか!しかもこの子たち、本気(マジ)な目を
 している!そこいらの男より真剣な顔つきだ!価値相対主義、ポストモダン、冷笑主義の時代に「本気(マジ)」を掲
 げる少女軍団!ついにわしかAKB48に目覚めた瞬間だった!

          「ゴーマニズム宣言スペシャル AKB48 論」  小林よしのり著   から抜粋しました。

11.5  
 大リーグでは、一年に一度、全球団の全選手が、背番号「42」のユニフォームを着用する。
 それは、黒人選手第1号であるジャッキー・ロビンソン選手の、有色人種のメジャーリーグ参
 加への道を開いた功績を評価してのものだ。
 そのことは知っていたが、全員が同じ背番号をつけることにより、端から見て「区別」すること
 ができないようにするためだという意味が込められていることは、この映画を見てはじめて認
 識させられた。
 今では、「42」が、全球団の永久欠番となっている。このまま欠番が増えていけば、いつかは
 背番号が3ケタになってしまうのではないかなどという私の心配は、いらぬお節介なのだろう。
11.4
 戒名を付けたり、引導を渡さなければ成仏することができないのではなく、僧侶
 の力を借りずに、親しい人たちで故人を送ろうという、「友人葬」の考え方は賛成
 だ。ただ、沢山の人たちが陣取って、一糸乱れぬかたちで読経する姿には、違
 和感を覚えてしまうのです。
 それは、宗教のあり方をとやかく言っているのではなく、みんなが、まったく同じ
 の、画一的な価値観しか共有していない組織が、私は好きではないのです。そ
 こに、「教祖」みたいな人の存在がある場合は、なおさらのことです。
 叔母さんの遺骨は、骨壺を半分くらいしか埋めることができず、そこに、闘病生
 活
の長さを感じさせられました。
11.3  
 青虫くんと取りっこをしたキャベツが、こんなにも大きくなりました。この頃
 は気温が低くなったので、青虫くんも活躍することができずに、新しい葉っ
 ぱは食べられた跡がありません。
 隣の畝では、2種類の白菜が生長して、だんだん丸くなってきています。
 先週は、エンドウの種を蒔きました。エンドウの苗は、冬越しをしないと実
 を付けないからです。エンドウをはじめとして、野菜作りの初年度は試行
 錯誤の連続でしたが、これからは経験値を活かすことができそうです。
11.2b
 朝7時25分に、91歳の伯母が目を落とした。アルツハイマーを患い床についてから23年間、
 その間には心臓にペースメーカーを入れたりもしたが、ひとり娘夫婦が介護をやり通した。まっ
 たくもって頭の下がる思いだ。
 私のこの叔母さんに対するいちばんの思い出は、なんといってもカルピスだ。春、収穫を終え
 た麦の茎を何本か持って遊びに行くと、水で薄める前のカルピスのビンが用意されており、茎
 をストローにしてカルピスを味わった。あのときのカルピスの方が、今のものよりも酸味が強か
 ったような気がする。
 今年はこれで、おばあさんの妹がふたりとおじいさんの姉の、近しい人3人がこの世を去ったこ
 とになる。
 
11.2a
 たぶん8月の頃だったと思う。地区の、正副自治組合長が突然やってきた。これは何かの役員を
 依頼するために来たのだとは感じたが、私はすでにすべての役員を済ましているから、今さら何
 も残っていないはずだ。 と、そのときは思ったのだが、話の主旨は「民生委員」に就いてくれない
 かというものだった。
 私みたいにふだん家にいない人が、「民生委員」など務まるはずがないからと固辞しようとしたの
 だが、そこに同席していたのは、今年、常会長の役目を担っている長男だった。これだけ日頃お
 世話になっているのに、断るなんてことはとてもできない。
 第一、私は他人から頼まれたことを断ることができない。それは逆の立場になって考えたらわかることで、わざわざ
 自宅まで足を運んでくれた人たちを、無碍に追い返すことなんてことができるはずがないではないか。「都合があっ
 て、出られないときはそれでもいいから」とおっしゃってくれたけれど、公的な役目というものはそんなに簡単なもの
 ではない。
 そんなわけで、12月1日から「民生委員」の、それも副会長という役目を担うことになりました。これは、いつまでも
 外を飛びまわっていないで、地元に腰を落ち着けなさいという暗示なのだろうか。 
 
11.1b
 昨日は、勝てば優勝だという、レッドソックスの試合を録画予約しておい
 たのだが、結果を知らない状態で見たかったので、お伺いしたお客さん
 の会社の方々に、勝敗を話題にしないようにお願いしておいた。
 インターネットを開くと、結果が見えてしまう可能性があったので一日中
 接続せずに、名古屋の駅ではタブロイド判の新聞の見出しから目をそむ
 けながら、高速バスに乗って帰って来た。
 駒ヶ根のインターでバスを降りたところに親戚から電話が入り、91歳に
 なる伯母が救急車で病院に運ばれたという。そのために、病院に顔を出
 してから自宅に帰ったので、録画を見始めるのは23時ころになってしま
 った。
 もう解説はいらないと思うけれど、ワールドシリーズの、いや今シーズンの上原はすごかった。あの大観衆の中で、
 あれだけのピッチングができるという精神力には、もう感服するしかない。そして、感動をありがとうございました。

11.1a
 最近の結婚披露宴では、エンディング・クレジットの演出がされ、出席者の氏名を
 表示することが流行っている。先日の親戚の披露宴のときには、バックにこの曲が
 流れていた。
 会場の出口で見送りをしている新郎新婦に、「あの『糸』は誰が歌っているの?」と
 尋ねたところ、桜井和寿だということを教えてくれた。
 正確には、彼を中心とした「bankband」というバンドがカバーしているのだが、中島
 みゆきとはまた趣が違う歌声が心に染みたので、今月のSONGにしてみました。