あと あと のあと 2007年11月


    農業に従事したいと思わないのは、土いじりがあまり好きではないのと、同じことを繰り返すのが、
    どうも性分に合わないからだ。
    春、種を蒔いて、夏場に肥料をやり除草をし、秋になって収穫をするのに、また翌年になっても種
    を蒔かなければならないことだ。
    ひとつのことを成し遂げたなら、次には別のことをやりたいのに、そうはいかないことが、どうし
    てもしっくりしないのである。
    しかしながら、こうやって確実に次の季節が巡ってくるのをみると、それに合わせて生活をしてい
    くことが、最も自然な姿なのだろう。

  
11.30
 今月の経費の支払いを済ませて、請求書を発行して、ブログのページを更新してと、月末にやらなければならない
 ことをすべて終了させた。
 25日までに書くことをノルマにしている「工場管理」の原稿も、4日遅れだったけれど書き終えた。
 こうやって事務所にいると、何だか年末のような雰囲気だ。
 少し時間の余裕を持ちながら、これから年賀状の作成に着手します。
 
11.29  
 4日ぶり帰ってきた長野は、底冷えを感じさせる寒さだった。
 録画しておいた「働きマン・第7話」を観ていたら、自然と涙が流れてきた。新二と別れた松方弘子の
 けなげさが悲しかったため。こんなにも、このドラマに、感情移入してしまっている。
 体重計に乗ったところ、ずいぶん太ってしまったことにびっくり。外食やコンビニなどのお弁当はカロリ
 ーが高いからなのだろう。だけど、体重が増えるのは、それだけ体調がいいことの証明でもある。
 そして、タイヤをスタッドレスに履き替えたから、来週からは不安なく移動することができそう。

11.28  
 左足の足首が突然くなり、どうにも歩けなくなってしまう。しばらくすると回復するのだが、これで3回目だ。
 風とは症状が異なるし、ゴルフのように無理な使い方はしてないから、いったいどうしてだろう。
 前のときは貼り薬を処方して寝たけれど、今回は旅先での出来事だから、風呂で暖まるくらいしか治療方法はない
 のかな?

11.27  
 食品の偽装表示など企業の不祥事が相次いで表面化している。その多くは社員による匿名の告発がきっかけだ。
 消費者からみれば常識ある行動だが、古いタイプの経営者にしてみれば驚きだろう。昔なら考えられなかった
内部
 告発
が当たり前になってきた。
 当然のことながら経営者にとって社内の
不正を未然に防止、またはその芽を摘むことが一段と大きな課題となる。
 多くの会社は内部通報制度を導入した。公益通報者保護法の成立で内部告発者が不利益を被らない仕組みもで
 きた。内部監査を一段と念入りにする会社も増えている。
 それでも
不正をなくすのは容易ではない。法律がどうあれ、実名で内部通報をしたらどんな仕打ちを受けるかわか
 らない。本来は社員の見方であるはずの労働組合は会社にべったり。少なくとも社員の多くはそうみている。
 社内の風通しをよくし、
不正がすぐに見つかるようにするしか手はない。役員ではなく内部告発者が経営を律すると
 は情けないが、社員によるガバナンスの台頭は「ばれなきゃ何でも……」といった昔風の経営を根本から問い直し
 ている。

            「内部告発が担う企業“統治”」  日本経済新聞 11月27日号  「大機・小機」から抜粋  

11.26  
 京都での仕事が早めに終わったので、大覚寺を目指して車を走らせた。
 ところが、途中の嵐山では観光客のラッシュアワー。車道も大渋滞で、狭い道を大
 型の観光バスがすれ違うものだから、車はちっとも前に進まない。
 ようやく大覚寺についたのは、もう夕方になってしまっていた。
 週刊誌に載っていたポスターを見て、今年は大覚寺に行ってみようと思ったのだけ
 れど、ここは、鮮やかな紅葉を見るためのお寺ではなかった。
 やっぱり、周到な調査をしてから出掛けないと、このような空振りに終わっちゃう。
 大沢池の畔では、時代劇の撮影をしていたよ。

11.25  
 3連休の3日目は、親戚の一周忌の法要。
 少し早めにお伺いをしてお茶を飲んでいたら、携帯電話に「アラーム通知」メールが飛び込んできた。
 そしてそれに引き続いて、セキュリティを管理しているコールセンターから電話が入り、「マジェスタ」からアラーム信
 号が出ています」とのこと。
 家を出るときに、おじいさんが車庫から出して欲しいと言ったので、弟に電子キーを預けて来たけれど、何らか操作
 間違いがあったことが原因らしい。
 このようなサービスをしてくれるセキュリティシステムに加入していたけれど、実際に発動されたのは初めてのことだ。
 盗人が、タイヤとホイールを外そうとしたときにも、きちんと作動してくれればいいのだけれど。

11.24  
 3連休の2日目は、小学校4年生のときの恩師を招いての同級会
 昨年は、体調が完全ではなかったので参加しなかったから、「森田くんはもうだめだ」という噂も流れていたらしい。
 小学校と中学校は隣接していたので、その9年間は同じメンバーで過ごしたことになる。今回は、その中の約半数
 が集まって交流を深めることができた。
 そして、来年の同級会の、幹事になってしまいました。

11.23  
 3連休の第1日目、私は、9月から行き始めた静岡の会社で仕事をしていた。
 私が行き始めてしばらくすると、どの会社からも同じような質問がある。それは、「うちほどひど
 い会社は他にもありますか?」というもの。
 私は、「どの会社だっていろいろな問題だらけですよ!」と答える。事実、規模の大小や業種や
 操業年数に関係なく、どの会社にしても、解決しなければならない問題がいっぱいあるのが現
 状だと思う。
 だからこうやって一緒に改善活動に取り組むのだから、明るい展望を持ってやっていきましょうよ。 

11.22  
 ウェブサイトで京都の紅葉情報を見ると、軒並み「見ごろ」になっている。
 来週は関西方面に出掛けるけど、それまで紅葉の色づきは保たれているだろうかと、気持ちばかり焦っている。
 それよりも問題は、昼間、紅葉を見に行く時間が取れるかどうかだ。

11.21  
 テレビドラマの「働きマン」にのめり込んでいる。
 原作の松方弘子のキャラクターなのか、それを演じる菅野美穂の魅力なのか、それらを一緒にし
 たドラマの内容なのか、とにかく、観ていて楽しいことこの上ない。
 今夜の、ヒロが新二と「別れる」場面は、自分のことのように悲しかった。
 ところが、コンビニに置いてある安野モヨコのコミック漫画は、買う気にならないのです。
 なぜかというと、少女漫画風の線の細い人物や描写が、私にとって違和感だからなのです。
 だけど、原作を読まないと本当にのめり込んでいるとは言えないから、チャレンジしてみます。

11.20  
 冬物の衣服が入っている衣装箱から取り出したところ、カシミアのセーターに食いの穴が空いている。そこで、イ
 ンターネットで調べてみました。
 「繊維製品を食害するには、カツオブシムシ・イガなどがいます。羊毛、カシミア、モヘア、アンゴラなどの獣毛、
 絹、皮革製品などの動物性たんぱく質繊維の場合、繊維自体が養分となるため、衣類に汚れが付いているいない
 にかかわらず、室温15度以上で、通気性が悪く湿度の高い状態で保管している場合は、害が好んで食べること
 になってしまいます」とのこと。
 防剤を入れてあるのにこの状態で、同時に出してみた一張羅のスーツにも食いの穴が空いていた。だから、こ
 れからは、カシミヤとかオールウールの製品は買わないようにしようと思うのです。

11.19  
 昨日から今日にかけては、神社総代会の慰安旅行で、蓼科の滝の湯に1泊の小旅行をした。
 私はその幹事で、近場でゆっくりしたいという皆さんの意見にそって企画したもの。
 滝の湯の温泉のお湯はちょうどいい温度で、お料理も豪華だったけれど、私はこのような集団行動がどうしても苦
 手だ。
 時間がもったいないというのでもないが、お酒を飲んで語り合うひとときが、なんとも苦痛で仕方がない。
 だから、温泉はプライベートで行かなければ、のんびりとした気分にはなれないのです。

11.18  
 毎年この時期になると、親戚がみんな集まってリンゴを採りに行く。
 近所の農家のリンゴの木を買い取っておき、それをもいだものを、コンテナに入れて持ち帰るもの。
 そのあとは、「きりの実」という「ふるさとの丘」にある食堂で、昼食を食べながら交流をするのです。
 今年は雨が心配されたけれど、少しちらついた程度で、影響はありませんでした。

11.17  
 半年ぶりの、そして今年2回目のゴルフをした。
 昨夜の冷え込みからは、寒い1日を覚悟していたけれど、思いのほか暖かい陽気で、11月にしては絶好のゴルフ
 日和だった。
 ただ、とにかく疲れた。プレイをしているときはさほどでもなかったのに、帰ってきてからぐったりしてしまった。またも
 や、体力のなさを痛感させられた。
 それでも、「春はたいへんそうだったけれど、あのときに比べるとずいぶん元気になったじゃない」と、同伴者が言っ
 てくれたから、順調に回復しているのだと思う。
 さあ、時間を見つけて、フィットネスクラブに通って、体力をつけよう。

11.16  
 新宿の伊勢丹で仕入れたボージョレー・ヌーボーを持ち込んで、昨夜は伊那市のスナックで原稿
 完結の打ち上げをした。
 ボージョレーには、どんな種類があるのかどうかよくわからないけれど、今年のやつは、お酒の味
 がわからない私でも、その美味しさが納得できた。
 おかげさまで、夜中には口の中がからからになって目が覚めてしまうし、朝は頭が重いやらで、
 何ともすっきりしない1日になってしまいました。

11.15  
 6月に原稿を書き始めてから、ゴルフには1回も行っていない。フィットネスクラブには1度行っただけ。パチンコは3
 回くらいやったかな? といった具合に、仕事以外の時間は、すべて執筆することにあててきた6ヶ月間。
 夏のうだるような猛暑の日々も、何事にも束縛されないはずの休日も、そして移動後のホテルの部屋でも、少しで
 も手を抜けば後がたいへんだと思うから、1日2テーマのノルマを自分に課して400テーマを仕上げました。
 今日は、その原稿を持って、東京の出版社に届けたのです。来年の3月頃発刊の予定。詳しいことが決まったら、
 またお知らせします。
 プライベートなことが何もできなかった、たいへんな6ヶ月間だったけれど、「のど元過ぎれば熱さを忘れ」で、次は
 「くたばれ!ISO。・実践編」に挑戦しようと思っています。

11.14  
 大阪の梅田まで、「クローズド・ノート」を観に行ってきた。
 火曜日の夜、原稿の400テーマ目を完成させ、どうしてもやらなければなら
 ないことがなくなった初めての夜だからと、レイトショーを観に出掛けたもの。
 初日の舞台挨拶ではミソをつけちゃったけれど、この映画の中の沢尻エリカ
 
は素晴らしかったよ。
 こうやって自由な時間を過ごしてみると、ぼく達には、まだたくさんの時間が
 あるんだということがわかる。

11.13  
 朝、宿泊した大阪のホテルの駐車場に車を出しに行ったところ、そこには警察がいた。
 何事があったのかとあたりを見回したところ、そこに停めてあった宿泊客の白いセルシオのタイヤが、4本ともはず
 されてなくなってしまっている。どうやら、盗難にあったようだ。
 車体はコンクリートブロックで支えられており、見事にタイヤだけが取り外されている。
 すぐそばにあった私のマジェスタの普通のタイヤには目もくれず、セルシオの高価なタイヤだけを狙うなんてバカに
 しているね。
 とにかく、油断も隙もあったもんじゃない。

11.12  
 土曜日から日曜日にかけては、あまり体調が思わしくなかった。
 日曜日の朝は朝食を食べる気にならず、出席した隣組の結婚式に出された料理も、ほとんど手が出なかった。
 土曜日に受けた、インフルエンザの予防接種の影響もあるだろうけれど、疲れがたまっていたことも確かだ。
 先週の月曜日は、大宮でセミナーが終わったあと夜の11時から工場に入り、火曜日は八王子、水曜日は神奈川
 県の大和市、木曜日は静岡県の富士宮市の会社で、朝8時から夜の7時まで、初めて会う人たちと部門ごとのプ
 ロセス分析をし、金曜日は所沢に移動した。
 仕事が終わってホテルについて、原稿を書いてから眠りにつこうとしても、頭が興奮していて睡眠に入れない。
 ぼつぼつ、張り詰めた状態をいったん断ち切って、のんびりした時間を作る必要がありそうだ。

 9月4日のブログで紹介した、ジャズシンガーの石野見幸さんが、8日の午後3時過ぎに、神戸の病院で亡くなられ
 たようです。10月17日のライヴは、結局実現しなかったみたいです。  
               合掌 

11.11  
 来週は関西方面の仕事だから、紅葉の状態がどうなっているのかを知りたくて、イン
 ターネットの「京都紅葉情報」をのぞいてみたところ、ほとんどの観光スポットは「色づ
 きはじめ」となっていた。
 今年は例年に比べて温かいと言われているが、京都の紅葉の見頃は平年並みだそ
 うだ。
 私がこの秋に狙っているのは大覚寺。行くことができる時間が取れるかな?

11.10
 「メロンパンにはメロンが入ってない……」という歌い出しではじまる「メロンパン のう
 た」が、FMラジオから流れてきた。
 ほほえましい内容と歌い方で、大ヒットしそうな予感がする。
 インターネットで調べたところ、人気カルト番組「ぽらけ!ヒン キッキ」の今週の歌で、
 「ゆっぴ」という人が歌っています。
 画像をクリックするとさわりを聞くことができます。ぜひ、ご試聴下さい。
11.9  
 夜の中央道を走るときは、覆面パトカーごっこをする。
 走行車線を走っている私の車を、ものすごいスピードで追い抜いていく車があると、おもむろに車線変更をして、そ
 の車を追尾する。 すると、その車は急いでスピードを落とし、走行車線に移るのである。
 中には、そのまま走って行ってしまう車もあるけれど、みんな私と同じような注意をはらっているのがわかる。
 それにしても、談合坂の男子トイレの棚に、空き缶空き瓶が並んでいるのは、見るに耐えられない。おしっこをす
 る前に飲んでいた飲み物の容器を、目の前の棚にそのまま置いていってしまうのだ。
 他人が飲んだものの後始末を、いったい誰がすると思っているのだろうか。

11.8  
 静岡県から河口湖に抜ける国道71号線を走っていたところ、目の前に立派な角をつけた鹿
 現われて、道路を横切って行った。
 あわてて急ブレーキをかけたから、間一髪衝突するのを免れたが、危ないところだった。
 道路を横切るときは、左右をよく確認しなさいって、誰が鹿にも教えておいてよ。
 もうすぐ冬がやってくるから、鹿くんも冬ごもりの準備に忙しそうだ。
11.7  
 八王子のホテルの横には、ファミリーレストランのデニーズがあるので、そこをよく利用している
 私だが、今日宿泊したホテルのそばにはガストがあったから、夕食を食べるために入ってみた。
 ガストは、低料金のファミリーレストランであることは承知していたが、ふたつのファミレスの違い
 に驚いた。
 まず、ウエイトレスが水を持ってこなくて、請求したところセルフサービスだという。ステーキの横
 に添えられていたスィートコーンは干からびているような状態で、みずみずしさが全然ない。そし
 て、ハンバーグは冷めているし、味だって塩気が足りないような気がする。
 値段が安いから仕方がないことであるが、覚悟して入らないと面食らってしまう。
 ガストには、若い人たちがいっぱいいて、とても落ち着けるような雰囲気ではなかったことも、付け加えたい。

11.6  
 車検の時に、ナビゲーションのソフトが入っている、DVDのディスクも交換してもらった。
 私の移動はナビゲーションだよりだから、最新の道路事情のもとで案内してもらう必要があったからだ。
 ところが、いちばん欲しかった圏央道の八王子ジャンクションが、そのソフトには載っていない。
 確か開通したのは6月だから、載っていないのはおかしいではないかと、トヨタのディーラーに問い合わせた。
 その答えは、3月までの変更データーが今回のものには反映されているから、圏央道のものは来年の5月に発売
 されるソフトになりますということだった。
 それはないよね。そんなに遅いスピードでは、実用に即しないよ。
 だから、私の車のナビゲーションは、圏央道を走っていても、画面上は山の中を走行している。

11.5  
 さいたま市で開催された、「彩の国ISO推進研究協議会」主催のセミナー、なんと参加者は120人。
 参加人数が多すぎたので、途中から1社2名に限定をして、最後の方は受け付けを締め切ったという。
 会場は満席で、熱気むんむん、その人たちがみんな私の方を見ながら話を聞いてくれた。
 私の今までの経験では考えられない現象、埼玉という県はものすごいエネルギーがありそうだ。

11.4  
 先日秋の例大祭があったばかりなのに、今日は新嘗祭。午前中は準備をし
 て、午後は神事となおらい。そして明日の仕事の準備をしていたから、「ミズ
 ノクラシック」の録画を見るのは夜遅い時間になってしまった。
 
 上田桃子の優勝がうれしくて、見ていて涙がにじんで来ちゃった。
 私はひやひやだったけれど、彼女は落ち着いていたね。 それにしても、あの
 アルバトロスはすごかった。
 輝いている女性は、美しくて、魅力的だ。  おめでとう!

11.3  
 宮里藍がスランプに陥っている。
 米国女子ツアー公式戦の「ミズノクラシック」のテレビ中継を観ていたけれど、ドライバーがこと
 ごとく曲がって、おそるおそるスイングをしている雰囲気だ。
 6月に左ひざを故障し、走り込みが出来なかった影響もあるという。
 それまでの宮里藍は、やることがすべて完璧だったから、まるでサイボーグみたいであまり好
 きになれなかった。
 スランプを喜んではいないけれど、やっぱり彼女も普通の人間だったと安心している。
 今回の壁を乗り越えたときに、もうひと回りもふた回りも大きくなっていることだろう。  

11.2  
 は生理が始まって以来、約40年間、月に1回その肉体の一部が破壊される。生理の前後での体調は大きく
 異なる。つまり、今日、元気でいても、明日も元気でいられるという保証はどこにもない。明日の朝起きたら、突然
 頭痛や腰痛が起こり、だるくて体が思うとおり動かなくなるかもしれないのだ。だから、今日1日を無事に、できれ
 ばハッピーに過ごすことのほうが重要だ。
 だから自分に自信がない。
には信じられないかもしれないが、一定でない体と心を抱えて何とか日常を正常にこ
 なすことにエネルギーの大半を費やしてしまう。女が「癒し」を好む理由もここにある。
 一方
の肉体はいつも一定だ。今日と同じ明日が来ることが当たり前だ。だから精神も一定であり、1年後も同じよ
 うな自分でいると信じている。したがって、未知の世界に飛び込むことに躊躇しないし、「いつか必ず……」という設
 計もできる。

                          「はなぜ急ににフラれるのか?」  姫野友美 著

11.1  
 江戸時代は、参勤交代の大名行列に向かって、竹竿の先に書面を付けてお伺いを立てる「直訴」は、命との引き
 換えが前提であった。だから、訴える人にはそれだけの覚悟が必要だった。
 食品メーカーを中心とした偽装の隠蔽は、そのほとんどが「内部告発」によって表面化されている。私が気に入らな
 いのは、それのいずれもが匿名であることだ。
 氏名を公表したときに受けるだろう弊害を考えると、匿名にする理由は十分にわかるのだが、そしてそれだけ弱い
 立場にある人からの訴えであり、それを保護してあげられないかもしれないが、では、江戸時代の「直訴」の行動は
 何だったのかということになる。
 「内部告発」をするときは、名前を名乗りなさいというのは酷かもしれないが、そこにどうしても後味の悪さが残って
 しまうのだ。