あと あと のあと  2011年11月

11.30
 上杉謙信公は、「義」の精神を貫いた人だった。戦国時代最強の軍団を擁しながらも、己の
 「欲」で他国を侵略したことはなかった。三好・松永勢により無力にされた足利将軍家、北条
 に領土を奪われた関東管領上杉家、武田信玄に領土を奪われた信州の豪族たち、それら
 みんなを助け(弱き者を助け)、強敵の武田軍や織田軍をも打ち破った。(強き者をくじいた)
 が、敵領地を侵略することはしなかった。宿敵・武田に塩を送り、敵に対しても慈悲を示した。
 武田信玄は死を直前にして、嫡子・勝頼に「自分の死後は上杉謙信を頼れ。
謙信ほど頼れ
 る人物はいない」と遺言したという。
謙信公は宿敵からも信頼されていた。しかしながら日常
 は質素に暮らし、神仏への崇拝心は誰よりも強かった。


   「我欲」は、美濃部東京都知事がいた時代の、左翼活動の矛盾を突いた小説です。

11.29  
 子供の頃入っていたのは「五右衛門風呂」というやつで、鋳鉄の風呂桶が土間
 に据えられていて、下のを焚く部分だけトタン板で囲ってあるやつ。
 木製の底板が浮いているので、それを沈めながら足場にして入らなければなら
 ないのは、直接底に触れると火傷(やけど)をしてしまうからだ。
 火を焚くと、煙が昇ってきて目にしみる。そんなお風呂に一人で入ったという記
 憶はなく、いつも兄弟たちの肌に触れていたような気がする。

11.28
 本当に久しぶりのパチンコ、今日は「PUFFY」に遊んでもらった。
 菅野美穂のドラマ「蜜の味」が7回分たまるくらいだから、この2ヶ月間は根 (こん)
 を詰めっぱなしで、時間との戦いが続いていた。それから少しだけ解放されたから、
 こうやって息抜きをしてみたのです。
 肝心の「PUFFY」さんは、出たり入ったりがしばらく続いたけれど、最後は14連チ
 ャン
で締めることができた。だけど出玉はたいしたことはない。今の台は小当たりが
 多いから、なかなかドル箱がいっぱいにはならない。
 自宅に帰り着いた私からは、タバコの匂いがぷんぷんすると家族から指摘された。
 たまにだからいいけれど、パチンコなんかにのめり込んではいけません。


11.27  
 朝霜が降りるようになりました。こういう日に備えて、前もって室内に取り込んでお
 いた、鉢植えの植物たちです。
 木の台の下に何も敷かないのは、蒸れてしまうと床が痛むからです。汚れたら、そ
 の都度綺麗にすることに、必然性を持たせようとしています。
 先週は、床にワックスを掛けて、予防措置も施しました。だから、毎週日曜日の水
 やりが仕事になっています。

11.26  
 おじいさんが、「ミニ耕耘機」を買ってくれたので、それを使って畑を耕した。
 少し前に、をかき始めたのだけれど、枯れを敷いた上に生えたものだから、手
 での作業ではなかなかはかどらなかった。
 そこで、もう何年も使ってなかった「マメトラ」を引っ張り出してきたけれど、エンジン
 がかからない。そこで農機具屋さんに見てもらったのだが、あちこちの部品がダメに
 なっていたから、買った方が早いということになったもの。
 おじいさんが野菜を作っているスペースはほんの一部だから、夏場になると雑草が
 ものすごい勢いで伸びてくる。それを取るのも、草刈り同様重労働だった。
 この「ミニ耕耘機」を使って野菜作りをする穏やかな日々は 、訪れるのだろうか?

11.25  
 静岡県の富士市と山梨県の甲府市を結ぶJR身延線は、台風15号がもたらした災害の影響で、
 内船〜身延駅間はバス代行輸送を行っている。したがって、いつも利用していた「特急・ふじか
 わ号
」はずっと運休状態だ。
 沼津に来たときは、隣の駅が新幹線が通っている三島だから、新横浜で降りて横浜線で八王
 子まで行き、あずさに乗って帰ることができるのだが、今日のように富士宮市まで来てしまうと、
 普通列車でさらにバスに乗り継がなければならない身延線でも、東京に出るよりは短時間で移
 動することができる。
 幸い列車は空(す)いていて、車内でパソコンを操作することができたから、あまり時間が苦にならずに甲府駅に
 たどり着くことができたが、空(す)いているのはあたりまえで、その理由は、おそらくこんな不便なルートを日常生
 活にあてはめようとはしないからだろう。

11.24  
 今日は仕事が午前中で終わったので、「三銃士・王妃の首飾
 りとダ・ヴィンチの飛行船」を観た。
 同じ時間に、三谷幸喜監督の「すてきな金縛り」も上映されて
 いたけれど、前に見た予告編で、あまりにも西田敏行のイメー
 ジが強く残っていたので、敬遠してしまったもの。
 CGを駆使したこの手の洋画が今は多いけれど、見終わったあ
                    と残っているものがあるのかというと、やや疑問だ。

11.23  
 農水省が採用する、世界にまれな「カロリーベース食糧自給率」では、日本で食されている
 卵の90%は外国産なのだ。農水省は、その理由を、「卵を産む鶏のエサの大半を輸入に頼
 っているから」としている。つまり国内の
養鶏農家が朝から晩まで続ける血のにじむような努
 力は、農水省によって全く無価値と判断されているのだ。これほどまでに日本の農業を侮辱
 する話はないだろう。
 なぜ日本の
養鶏農家は「カロリー源」を輸入することができるのか?それは、円という通貨
 に国際的価値があるからだ。北朝鮮ウォンが自国を一歩出た瞬間に紙くずになるのに、日
 本円は世界中のどんな商品とでも交換ができる。それは日本銀行が発行する紙切れの背
 後に、戦後66年にわたって蓄積された日本の富が控えているからだ。
 この富は、おびただしい企業群とそこで働く労働者たちが生み出してきたものだ。その黒字
 の多さゆえに円高になり、これらの企業群を苦しめているのはまことに皮肉な話だ 
 が、とにもかくにも、
養鶏農家が海外から鶏のエサを輸入できるのは、貿易によって積み上げられてきた日本の
 富のおかげである。そして、輸入のエサのみに価値を認める「カロリーベース自給率統計」こそ、
農水省が農業を
 日本経済の「寄生虫」に貶(おとし)めていることの証左なのだ。


  「辛坊治郎の甘辛ジャーナル」                  「週刊朝日」  12月2日号
     〜TPPの反対勢力は誰か?国の富に寄生する者ばかりだ〜        からの抜粋です。

11.22  
 「スーパーあずさ」が、岡谷駅に停まらないものがあることを、今日初めて知った。
 というよりも、原則としては岡谷駅には停まらないものらしい。先日、岡谷駅を通過
 していった下りの便が不思議だったけれど、回送便ではなかったのだ。
 その昔は、飯田線は辰野で中央線に接続していた。それが岡谷まで出なければな
 らなくなり、さらには限られた便でなければ「スーパーあずさ」に乗ることができない。
 それだけ飯田線の沿線の市町村が寂れてしまったということだ。
 私が新宿から帰るときはいつも夜だから、たまたまいつも岡谷で停まる「スーパーあ
 ずさ
」に乗っていただけだったのだ。 あぶない、あぶない!

11.21  
 昨日の温かさが暖かさがウソみたいに冷え込んで、中央アルプスの山々が、今年
 初めて冠雪した。
 電気毛布を最低の温度に設定しておいたから、朝方足が冷たくなって目が覚めてし
 まって、目盛りを「普通」に直したくらいだ。
 写真は、自宅のオフィスの窓から撮影した中央アルプスです。手前に写っているの
 が、夏場に草刈りで私を悩ませる、私の家の田んぼの土手です。

11.20  
 何年か前に、「今年が最後だ」とおじいさんが宣言してからも続いていた「リンゴ狩り」。
 お世話になっている農家が、今年いっぱいで栽培を他人に譲ってしまうために、果樹園
 にリンゴをもぎに行くかたちは本当に最後になってしまった。
 地元にある親戚や、普段お世話になっている人たちをおじいさんが招待して、いつもの
 ように「きりの実」に行って食事会をした。その数22人とちびっ子ふたり。
 事前の段取りから当日の運営と、思い込んだらひとつのことしか目に入らないおじいさ
 ん振り回されて、長男のお嫁さんはたいへんだったと思う。
 幸いだったのは、朝まで降っていた雨が上がって、陽気も暖かかったこと。参加した人
 たちはみんな喜んで帰ってくれたから、よかったんじゃないかな。

11.19  
 以前、北倉(北の方角にある物置)を整理したときに、農薬除草剤を見つけてあっ
 た。大部分は前の家で使っていたステンレスの流し台を活用して収納されていたが、
 一部はむき出しで転がっていたものもあった。
 どうやって処分しようかと思っていたところ、農協で回収してくれる日があることを知
 って、今日がその回収日だった。
 前もって、粒剤・粉剤、液剤、水和剤とに分別し、それぞれの重量を量ってリストにし
 ておいて持ち込んだものは、全部で19種類にもなった。
 その昔は規制が緩やかだったから、農薬除草剤は使い放題だった。その結果、
 川や野にいた魚や昆虫がほとんど途絶えてしまったのだ。

11.18  
 ホテルの風呂から上がって肌着を着替ええたところ、なんだか小さくて袖のあたりも短くて変だ。
 どうやら、おじいさんのやつを持って来てしまったらしい。
 日曜日には長袖の肌着を2着買った。それは、ここのきて何枚か破れてしまい、足りなくなって
 いると思ったからだ。
 それなのに、月曜日に持ち出すとき、肌着を入れてある私専用のカゴには、何枚も入っていたか
 ら、どうしてなのだろうと思っていたところだ。あの中にもおじいさんのやつが混ざっている可能性
 がある。家に帰ったら、確認してみなければ…。

11.17b  
 今日は東京にいたから、代々木第一体育館のバレーボール・ドイツ戦
 を見に行くことはできた。でも、おそらくチケットはもう手に入らなかった
 のだろう。
 夕方は名古屋に移動したから、ナゴヤドームの日本シリーズを見に行
 くこともできた。でも、入場できるかどうかはわからなかった。
 その昔、プロレスを見に行ったときなどは、ほとんどダフ屋のお世話に
 なったものだ。いつも定価で、いい席を手に入れるとができた。しかし、
 いつのまにか、ダフ屋の姿を目にすることはなくなった。
 確かにダフ屋は違法行為だけれど、ネットオークションで何倍にもなって
 いるチケットの価格をみると、あの頃の方がまだましだったような気がし
 ている。最初から価格が高くても、欲しいチケットは手に入れようとするけれど、転売することを目的にしたネットオ
 ークション
のものは、意地でも買うもんかと今は思っている。

11.17a  
 今月も半分が終わってしまった。この時期になっていつも気になるのは、原稿の締め切り日
 のことだ。いつもなら翌月号の校正用のゲラが届いたときに、返信用のメールに添付して新
 しい原稿も送るのだが、今月はいつになく早くそのゲラが届いてしまった。
 作業が遅れているいちばんの原因は、ホームページ・ビルダーに時間を取られているからで
 あるが、もうひとつの側面としては、書きたいテーマが種切れになっていることもある。
 もう少し前までは、パソコンの前に座れば文章がスラスラ浮かんできてものだが、最近はひ
 とつのテーマを形にするのに、かなり悩まなければならない。私の知識の水源が涸れつつ
 あることの対策を、しなければならないのだが…。
11.16  
 清武代表の記者会見を見て、これは「本能寺の変」だと思いました。渡邊会長の恐怖政治、
 ワンマンぶりは今に始まったことではありませんが、これまでは誰も怖くて言えなかった。
 ところが清武さんは弁護士を帯同し、「プロ野球を私物化している」「コンプライアンス上問題
 がある」と内部告発したのです。渡邊さんと刺し違える覚悟だったのではないでしょうか。
 織田信長に謀反を起こした明智光秀だって、突然「敵は本能寺にあり」と言い出したわけで
 はない。今回、清武さんが会見に踏み切った背景には、渡邊会長が「人事を鶴の一声で覆
 した」というだけではない、さまざまな伏線があったように思います。

  「巨人版『本能寺の変』でチームは変わるか」  二宮清純  「週刊朝日」 2011.11.25

11.15  
 私の古巣(実際には子会社の社員だったけれど)のケンウッドが日本ビクターと経
 営統合してから丸3年、今日、横浜みなとみらいで、社員向けの経営方針説明会
 が行われたという。
 報道によると、「2002年には、経営再建中だったケンウッドの社員3分の1をリス
 トラ
し、ビクターの国内人員の3分の1を削減し、「これが最後」と統合後の昨年11
 月に発表したリストラは、勤続5年以上で500人と幅広い層が対象になった。その
 わずか1カ月後には追加リストラが発表され、幹部にノルマが課せられる。評価の
 高くない社員が呼び出され、「辞めたくないと言っても、お前にそんな権限はない」
 と退職を強要されたケースもあったという。結局、今年3月末に738人がビクターを去り、うち500人が技術者だ
 った」という。
 ここまでして企業が守らなければならないものとは、一体何だったのだろう。会場は祝福ムードに包まれたという
 が、企業は誰のために存在しているのかということを、やっぱり問い直すべきだ。

11.14  
 半年くらい前に、JR飯田線の伊那市駅に年配の駅員が入ったようで、窓口を担当してい
 た。その頃は、胸に「研修中」と書かれたカードをつけていたので、ぎこちない動作も仕方
 がないと思っていたが、約半年経った今日もその状態は変わっていない。
 コンピュータのタッチパネルの操作に行き詰まって、若い駅員を呼ぶけれど、その駅員
 いかにも辟易したというような表情でやってきて、自分の手でサッサッサっと片付けてしま
 う。こんな場面を、身につまされる思いで見ていた。
 私が必死の思いで新しいホームページ作成のプログラムを覚えようとしていても、私よりも
 若いその道のプロから見れば、たぶんうんざりするような思いなのだろう。日本の経済成
 長を支えてきたシニア世代が、現代の社会の中で生きていくことは難しい。

11.13  
 三井住友VISA太平洋マスターズ(太平洋クラブ御殿場コース)のテレビ中継の中
 で、コースの背景に映っていた富士山は、てっぺんのあたりがもうで白くなってい
 た。
 長野の日中はまだ暖かいけれど、朝晩は冷え込むから、敷布の下に電気毛布を入
 れているし、ストーブを焚く時間がだんだん長くなってきている。
 中央アルプスの山並みが、冠するのも時間の問題だろう。

11.12  
 PPS(有料放送)のプロレス中継(新日本プロレス・大阪大会)を見ていたところ、突然画面がバレー
 ボール
に切り替わってしまった。そうだ、今あるブルーレイ・レコーダーにはチューナーがふたつしかな
 いために、3つの番組を同時に見ることはできないのだ。
 19時からはワールドカップ・バレーボール女子を、19時30分からはNHK杯フィギュアスケート・女子
 の録画を予約しておいたから、その時間帯は3番組が重なってしまったことになる。
 こうやって欲張ってみても、ホームページ・ビルダーとの格闘が一段落しないと、時間が生み出せるわけではない
 のに、こんなふうに気持ちばかりが先走っている。
 結局、バレーボールフィギュアスケートも、NHKのサタデースポーツで、結果を知るだけにとどまった。

11.11  
 集英社から、隔週木曜日に、「燃えろ!新日本プロレス」というDVD
 誌が発売されている。創刊号は880円だったのに、2巻目からは16
 80円になってしまっている。ひどい。
 猪木のベスト盤をレーザーディスクで購入して以来、何度もDVDを手
 に入れようとしたが、今まで待ったかいがあったというものだ。今まで
 発売されたものは、全て中途半端なものだった。
 「猪木の舌出し失神事件」について、本人は演技だったとあとで解説
 しているが、映像を見た限り、ハルク・ホーガンのアックスボンバーは
 見事にヒットしていて、あれではとても立ち上がることはできなかった
 だろう。当時見たのは生放送だったけれど、ひとつひとつの場面を鮮
           明に思い出すことができるのはすごい。

11.10  
 岩下志麻さんが、雑誌の対談の中で、「もうにメロメロなの!」と言っていた。かくい
 う私も、彼女に負けないくらいメロメロなのです。
 が可愛いのは責任がないからだとよく言われるけれど、それは少し違っていると思
 っています。一緒に住んでいると、自分の子供に対した以上に深く関わっているし、お
 子守りをしているときなど、何かあってはいけないと注意を払っているので、絶えず動
 き回る琉くんと一緒にいるのは、結構重労働です。
 が可愛いのは、どこかに自分に似た部分が見いだせるからではないでしょうか。そ
 して私の新説は、大人の女性に興味がなくなってしまった分、そのエネルギーを
 向けているのではないか、というものです。

11.9  
 私が住んでいる上伊那地区には、オリンパスの事業所がふたつと、子会社が1社ある。子会社の従業員は約50
 0人で、それ以外の事業所の従業員数は「きょう時点では把握できていない」と、広報・IR室は答えている。
 私に物心がついた頃からずっと、オリンパスは地元の超優良企業だった。給料は高額で、しかもお休みは多くて、
 誰もがあこがれを抱いていても、おいそれと入社できる企業ではなかった。
 新聞の報道によると、粉飾が、1990年代ころから行われていた可能性があるいう。それが本当だとしたなら、今
 まで「隠蔽」し続けていたことになる。
 最近は、官僚の世界にばかり批判の矛先が向いていたが、民間企業がこんな状態では、「公務員改革」など絵
 空事でしかないではないか。

11.8  
 最近は、干しを作る家が少なくなったので、このよ
 うに、渋が木に付いたままの状態が、日常の風景
 になっています。
 昔は、剥いたを干しておいたものを食べたのです
 が、今はそんなことをする家はありません。
 この写真は、先週撮影したものです。

11.7  
 例えば産業の空洞化が懸念されていますが、私は空洞化してもいいじゃないか、日本経済の
 
衰退についても、同様に衰退してもいいじゃないかと言いたいのです。
 世界の歴史を見ると、古代ギリシャ・ローマから始まったことですが、勃興する国があれば、そ
 の国は必ず
衰退するのが変わらない流れです。近世だけを見ても、ポルトガル、オランダ、スペ
 インの順に栄えていって、その次に勃興したのがイギリスであり、フランス、ドイツでした。そうい
 う国が徐々に
衰退していってアメリカがナンバーワンになった。そして一時期、次は日本だと言
 われるほど経済が絶好調の時代がありました。しかし、いかに日本といえども歴史の変わらな
 い流れに逆らうことはできません。一定期間、繁栄が続いたからと言って、それをいつまでも保
 つのは無理です。
 逆に、これだけの高い生活水準を誇れるようになったのだから、もういいじゃないか、これ以上
 成長して何になる、という感じの方が強いのではないでしょうか。確かに
マイナス成長になっ
 ては困りますが、そこそこの経済状態が保てるのであれば、それでいいではないですか。アメリカの次に世界経
 済のトップになるのは、おそらく中国やインドなどの新興諸国でしょう。くり返しますが、この歴史の流れには絶対
 逆らえません。日本はもはや老大国です。
成熟した国になればいい、と私は思っています。

            「成熟ニッポン、もう経済成長はいらない」   橘木俊詔・浜 矩子  朝日新聞出版

11.6b  
 まだ上田桃子がプロになりたての新人の頃、横峯さくらや諸見里しのぶたちと一緒に、テレビの
 番組に出たことがある。司会者が「この中でいちばん気が強い人は誰ですか?」と訊いたところ、
 みんなが「桃子ちゃんです」と、一斉に答えたことを覚えている。
 その頃からから彼女は、自身のブログの題名を「桃尻桃子の待ってろ世界!」とし、アメリカツア
 ーに挑戦することを明確に表明していた。そしてその後日本ツアーの賞金女王となり、2009年
 の「ミズノ・クラシック」に優勝したあと、戦いの地をアメリカに移すことになる。
 それ以来、試合中の桃子はいつも渋い表情で、思うような成績が残せないことに悩んでいる様
 子が伝わってきた。
 その桃子が、今週ははじめから笑顔を満面に浮かべてプレイしていた。そこに、何かが吹っ切れ
 て、ひとまわり大きくなった上田桃子を見ることができた。

11.6a  
 4ヶ月ぶりくらいに、整体に行ってきた。そのころは、2週間に1回のペースで通っていた
 のだが、急に検査入院することになったから、予約をキャンセルして以来のことだ。
 3日くらい前から、首筋の右側がゾモゾモするような感じだったので、急に思い立って電
 話を入れたもの。1時間くらい治療をしてもらったけれど症状は改善されず、家に帰って
 きてから貼り薬を貼った。
 このところパソコンに向き合っている時間が多く、それも作業がはかどらずにイライラす
 ることの連続だったから、が張るのも無理のないことだ。夜中になってから、思い立っ
 てラジオ体操で体を動かしてみたけれど、効果があるだろうか?
11.5  
 私が机に向かってホームページ・ビルダーと格闘しながら、テレビのバレーボールの試合を見
 ていると、おじいさんがやってきて、いっしょに見始めた。はじめのうちはソファーに座っていた
 が、そのうちに肘掛けを枕にして、寝転がって見るようになった。
 私がいつものように、フローリングに仰向けになって背骨を伸ばす動作を始めたところ、おじい
 さん
は、「お前、ここに横になれやれ」と言って、ソファーを譲ろうとする。
 87歳の、もうよちよち歩きになっているおじいさんが、私に気を遣ってくれているのだ。その理
 由は、「信大」まで行って検診を受けたからで、この地域では、わざわざ信大まで行くことは、
 重病であることを意味している。
 おじいさんは、私は仕事がハードだからたぶん長生きが出来ないと、ずっと前から言っている。
 いくつになっても、子を思う親の気持ちは変わらない。

11.4  
 東京駅の構内にある書店で買って、名古屋までの新幹線の中で読み始めて、その夜
 泊まったホテルで全部読んでしまった
 こののことも、作者の名前も全然知らなかったけれど、書店の本棚に並んでいるも
 のを手に取っているうちに、欲しくなってしまうことがある。
 ミステリーを読むときは、いつも犯人は誰なのだろうかと想像しながら読むのだが、こ
 の作品の場合は初めからそれがわかっていた。しかし、最後の結末は考えてもみなか
 ったもの。これだけいろいろな内容のミステリーが世の中に出ている中で、読者の期待
 に応えなければならないのだから、作家という仕事もたいへんだ。

     「彼女はもういない」  西澤保彦     幻冬舎  ¥1,575

11.3  
 今年は、原村のおばあさんと、宮田のおいさんが亡くなったので、家族全員が年賀状を欠礼する挨
 拶状を差し出します。
 市販の、インクジェット対応の「喪中はがき」を買ってきて、普通の内容を印刷しただけだけれど、業
 者に頼んでもこれまでではないかという出来上がりに、自画自賛しています。
 本当は、こんなはがきを出さないでいい年が、ずっと続いてくれればいいのだけれど。

11.2  
 陽気がだいぶ寒くなってきたので、今週から下着を長袖のものにした。ワイシャツはしばらく前から変えているから、
 ようやく同期がとれたことになる。
 そこで困るのは、キャリーバッグがぎゅうぎゅう詰めになってしまうこと。着替えるのを2日に1回にしようかとも思っ
 たけれど、今さらそんなことは不可能だ。
 昔なんか、下着を毎日替えるなんてことはことはなかった。その頃に比べると、ずいぶん「清潔」な生活パターンに
 なったものだ。

11.1b  
 私がこの仕事を始めるときに、ある人がアドバイスしてくれたことは、時計と靴だけは一流のものを身に
 付けなさいというものだった。あるとき、まだ安売りの代名詞だった「ユニクロ」のセーターを着ていたの
 を見られただけでも、渋い顔をされたものだ。
 時計は、なんだか邪魔みたいな気がして、もうずっと腕には巻いてはいないが、
 靴だけは、安いものはすぐによれよれになってしまうので、今でも値段の高いものを履いて長
 持ちしている。
 もう10年以上前に買った、ふたつしかないカシミヤサマーセーターが、両方とも虫が食って
 穴が空いてしまった。代わりのものが欲しいと思っていたところ、電車のつり革の広告の、「
 ニクロ
」の緋色のセーターが目に留まった。そして、ちょうどその日が対象商品を販売をしてい
 る最終日だった。
 そんなわけで、上品な緋色と濃い灰色の薄手のセーターを 、1着1980円で手に入れた。そして商品についてい
 るタグを見たら、なんと「ウールマーク」がついているではないか。カシミヤにはかなわないけれど、手触りも悪くな
 い。今や、「ユニクロ」が、新たなブランドになってしまっているのだ。

11.1a  
 録画してある番組すら観る余裕がないというのに、11月のWOWOWの放送は充実している。先日届いた「MON
 THLY PROGRAM GUIDE」を見ながら、録画したい番組を予定帳に書き込んでいる愚かさだ。
 その中でも特筆されるのは、「ノルウェイの森」がもう登場するということ。映画は劇場で観るからその良さがあるの
 かもしれないが、電波で届けられるのを逃す手はないではないか。