あと あと のあと 2002 8月

8.31
 
白馬に行った。
 長野オリンピックで使われたジャンプ台の背景にある山の斜面には、何本ものリフトが頂上に向かって伸びており、
 その彼方にはスイスを思わせるような
北アルプスの山々がそびえ立っていた。
 あのリフトを登りつめると、
北アルプスの雄姿に出会えるのだろうか?
 先週の
乗鞍といい、地元にいる私が、長野の自然のすばらしさに気が付かないでいる。

8.29  
 amazon.co.jp に「他人に聞こえるひとりごと」がようやく掲載された。
 このITの時代に発売から3週間近くもかかっている。
 リードタイムを短縮することを職業の一部としている私からは、こんな状態とそれを生じさせているシステムが理解
 できない。

8.28  
 6時間の間ほとんどひとりでしゃべり通したセミナー
 私はそれなりに手応えがあったけれど、それを評価するのは参加してくれた人たち。
 終わってしばらくしたら、徐々に疲れが体を支配しはじめた。

8.27  
 コンビニの雑誌コーナーで立ち読みをしている人が気になって仕方がない。第一本を探すのにじゃまだ。
 ところがコンビニはこれを歓迎しているという。お客がそこにいることにより、「サクラ」の効果を期待していると
 いうのだ。
 私は、他人が触った本など買いたくはないのだけれど……。

8.25  
 日本で一番高い標高にある自動車道を使って乗鞍まで行った。 
 来年からマイカー乗り入れが禁止されるので、今年の観光客は昨年の60%増しだという。
 渋滞している車からは排気ガスがいっぱい吐き出されている。
 あたり一面に可憐な花を咲かせているコマクサリンドウを保護するた めには、マイカー規制は必要だ。

8.24  
 2日間留守をしただけなのに、事務所に帰ってメールを開いたらなんと148通も届いていた。
 それを全部開いて対応するのに1時間かかったよ。
 まさに情報の時代なのだろうけれど、たいへんな世の中になったね。

8.23  
 来週のセミナーの事前質問書から。
 「工場管理を森田さんのコラムを読むことを第一の目的として買っています。以前に読んだ『歩くスピード』には
 感銘 を受け実践しています。森田さんは学者タイプではなく現場の人というイメージが強いので、お話を聞ける
 ことを楽 しみにしています」
 こんな文を読んだ瞬間に人生がバラ色になります。そう、私はいたって単純なのです。

8.21  
 昨日と今日の2日間、(株)スワリクのISO9001の本審査だった。
 今回は、半年間で取得することにチャレンジしたけれど、企業の役に立つ、レベルの高い品質マネジメントシステム
 ができたと思うよ。
 社長が、「社員の意識や行動がめざましく変わった!」とおっしゃってくれていることが、なによりもの喜びです。

8.20  
 フレッツADSLに加入した。
 今までのISDNにくらべると、通信スピードは大幅に速くなり、接続しっぱなしが可能になった。
 ADSLには加入できないと書いた『他人に聞こえるひとりごと』の「顧客指向していますか?」の内容は嘘じゃなか
 ったのだけれど、いったいあのリアクションは何だったのだろう?

8.19  
 久しぶりに届いた友達からのメールは上海からのもの。
 この6月から赴任しているとのこと。
 彼とは、仕事で シンガポール → マレーシア → タイ → 香港 → 中国と一緒に「」をした仲。
 きっかけができたから、早速上海行きを計画してみよう!

8.17  
 お盆があっという間に終わり、また仕事が始まった。
 この休み中も働いていた人を何人か知っている。ご苦労様でした。
 お盆が過ぎると夏が終わり、もうすぐがやってくる。

8.16  
 『南京戦・閉ざされた記憶を尋ねて…元兵士102人の証言』     社会評論社 ¥4,200

 この本が、昨夜のニュース・ステーションで紹介された。
 もう80歳の半ばを過ぎた人たちが、今まで長い間連れ添った妻にも言ったことがなかったという「南京虐殺」の
 様を、加害者の立場で証言している。
 断片的にしか映らないテレビのインタビューでは、事実の持つ重みがあまりにも強烈で、話している人の罪の意識
 までは伝わってこなかったけれど、心の中に沈殿していただろう重い固まりを、よくぞ吐き出してくれました。それを
 受け取らなければならないのは私たちです。

8.14  
 だって浮気しちゃいけませんなんて、野生動物の世界ではそんな論理ないんですもの。浮気するチャンスがあった
 らするべきだし、だけどすることには必ずリスクも伴う。そこは考えてやりなさいよというのが野生動物の世界。それ
 がいけないっていう
倫理がある人間は、すごく変な存在なんですよ。じゃあそれを言っているのは誰かっていったら、
 浮気で勝利できそうにない大多数の男性。
                               竹内久美子  週間文春 8/15.22号

8.12  
 暑中見舞いのはがきを使って出版のお知らせをした関係で、私が最初に入った会社の当時の上司からメールが届
 いた。
 そのころの私は労働組合活動に没頭しており、仕事には力が入っていなかった。だから、その方にはいろいろなご
 迷惑をおかけしたと思う。
 そのことをいつかをは謝りたいと思っていたけれど、そんな機会もなく30年が過ぎた。メールで返信しただけだけれ
 ど、あのころのいろいろな経験が今の私を形成しているのです。 ありがとうございました。

8.10  
 「秋蝉」と呼ばれるミンミンゼミが鳴き出した。
 ススキからは穂がもう顔を出している。 空を見上げると赤とんぼがいっぱい飛んでいる。
 まだお盆前だというのに、そして毎日35度を超える酷暑なのに、一方では「」が確実に忍び寄っている。

8.9  
 「長野日報」に、「他人に聞こえるひとりごと」の記事が掲載されました。
 かなり目立つ場所に、写真まで入れていただき、感謝です。
 でも、どうしてこんなに写真写りが悪いのだろう。 ……と思っているのは自分の顔が見えない私だけで、本当は実
 物通りに写っているのかもしれない。

8.7  
 私も日本人だから、さくらと桂木先生が結ばれることを望んでいたけれど、道徳的で倫理観のあるNHKが、どのよ
 うに物語を進行させるのかに興味を持っていた。
 今日の放送では、ロバートがみずから婚約解消をさくらに申し入れた。
 それを受けたさくらの目からは自然と涙がこぼれ落ちて、すごく感動的な一瞬だったよ。

8.6  
 最近通いはじめた富山のスナック 「宝生」のママに、「他人に聞こえるひとりごと」を見せた。
 最初はページをパラパラめくりながら、興味のあるテーマの所だけ拾い読みしていたけれど、そのうちに客がいな
 いボックス席に座り込んで本格的に読み始めた。
 あとがきまで読んだあとのママの目は、うっすらとでにじんでいたよ。 私の本が、人を感動させることもできるの
 かな?

8.5  
 グリップの位置を少し下げ、クラブをねかし気味にしてかまえたところ、ダウンブロー気味にショットができるように
 なった。
 きっかけは、テレビのゴルフ中継をみていて、プロの構えの手の位置がいやに低いことに気が付いたことだ。
 こうやって少しずつ上達しているのだろうけれど、ゴルフというのは気を長くしないとお付き合いができないスポーツ
 だ。

8.3  
 新しい恋人とはじめて肌をあわせたとき、五官に直接訴えかけてくる感覚で、前の相手との違いを認識するような
 気がする。肌のなめらかさと毛深さ、腕をまわしたときの肩の厚み、筋肉の堅さ、整髪料の香りなどで。


                              相原真理子   「週刊朝日」・がちんこ CINEMA   

8.2  
 住民基本台帳ネットワークシステムからの離脱を決めた杉並区の山田宏区長が昨夜のニュース・ステーションに
 出演した。
 「確固とした個人情報保護のための法制度が整備されるまでは参加しない」と述べていたが、その裏付けとなる
 考え方や姿勢がきちんとしていて、たてまえや形式主義で仕事を推し進めている政府の見解が、陳腐に見えて仕
 方がなかった。

8.1  
 『 他人に聞こえるひとりごと 』  〜人を育て、企業を救うサプリメント〜    新風舎 ¥1,600

 「エレクトロ実装技術」と「工場管理」に連載していたコラムが単行本になりました。
 発行日は8月10日、書店でお求めいただければ幸いです。