あと あと のあと 2006年6月



    終わってみればあっという間だったけれど、いろいろなことが凝縮されていた1ヶ月間でした。
    確実に自覚できることは、肩肘張らないで生きて行かれそうだということ。
    ありのままに、ごく自然に、大きな流れの中に身を横たえていくのです。


   
6.30
 事務所と道を1本はさんだ目の前の家屋が解体され、その向こうの空き地と一緒になった敷地が誕生した。
 その広さは500坪くらい、銀行からの情報によるとセブンイレブンが出来上がるのだという。最近とみに通行量が
 多くなった街道沿いのため、広い敷地を確保してあるのだそうだ。
 私にとっては便利になることが多いけれど、隣が24時間稼働のコンビニでは、かえって落ち着かなくなっちゃうの
 かな?

6.29
 家族のみんなが、共通の思いを胸にして泣いた
 長い人生の中には、うれしいことも悲しいこともあって当然だけれど、喜びよりも悲しみの方がはるかに重いような
 気がする。
 それぞれの立場で、やるべきことはやったのだけれど、それで悔いが残らないのとはまた違う。
 手術が終わって本当に苦しい3日間を乗り切ったときに、病室にやってきたおふくろの何気ないひと言に、私は人
 知れず布団の中で泣いたものだった。
 それとは全然悲しみの質が違うのだけれど、それにしても、なんて悲しいんだろう。

6.28  
 先週は火曜日に家を出て、土曜日の夜 に帰って来ただけで日曜日の夕方にはまた出発し、今週
 は水曜日の今日やっと帰ってきたところ。
 昼間の仕事を終えてから、毎晩平均200kmくらい移動し、ホテルでは夜中まで原稿を書いている。
 こんな生活を続けていたものだから、今夜体重を量ったところ、いちばん下がったときよりもさらに1
 kgも落ちていた。
 一度にたくさん食べられないから、何回にも分けて食べなければいけないのだけれど、仕事が始まってしまうとそう
 も言っていられない。
 これから暑くなると夏バテが心配だから、なんとかエネルギーの補給の仕方を考えるのです。

6.27  
 日本代表にはこれから批判の嵐が押し寄せることだろう。さまざまな人がさまざまな悪罵まがいの言葉を投げつけ
 るに違いない。だが、第二次世界大戦後の小林秀雄の台詞ではないが、『賢い人はせいぜい批判するがいい』の
 だ。少なくとも私は、他の国のどのような素晴らしい試合を見ても、
日本代表の未熟な試合ほどには心を動かされ
 なかったことを知っている。  (中略)
 いまは、ただ、必死に
ボールを追い続けた中田英寿に、懸命にボールを弾き返し続けた川口能活に、うまくボール
 を蹴り出せなかった中村俊輔にも、ご苦労様と言いたいのだ。

         「ワールドカップ街道」   沢木耕太郎      (日本経済新聞  6月27日号 から転載)

6.26  
 ホテルに備え付けられている寝具は、浴衣とかガウンのように前開きのものばかり。
 朝になると裾がはだけていて、それが体調をくずす原因になると困るから、最近はパジャマを旅行鞄に詰めていくよ
 うになった。
 あと気をつけることは寝る前に冷房を切ること。だから蒸し暑くて途中で目が覚めてしまうのです。

6.25  
 女子ゴルフ・プロミスレディースの藤田幸希の優勝を見届けてから自宅を出発、めずらしく道路
 が全然混んでいなかったから、3時間余という短い所用時間で大阪に着いた。
 いつも食事をしていた「めしや」が閉まっていて、「長い間のご愛顧ありがとうございました」とい
 う張り紙がされていた。
 しばらくの間、定食を頼んでも半分くらいしか食べられないから、コンビニの食料でまかなってい
 るのだけれど、いつも通っていたお店がなくなるのは淋しいものだ。
6.24b  
 おばあちゃんが入院をした。
 一応病名は肺炎となっているけれど、本当はもっと複雑な状況です。
 入院を拒みつづれていたけれどやっと観念したみたいで、昨夜病室に顔を出したところ難しい顔
 をして夕食を食べながら、看護婦(師)さんにわがままを言っていた。
 おそらく、これがおばあちゃんにとっては初めての入院です。
6.24a  
 出版元に、「他人に聞こえるひとりごと」の在庫を問い合わせたところ、返品分も含めて22冊あるという。
 全部引き取りたい旨を伝えると、帯がないものもあるけれどいいかと言う。
 それでもいいから全部くださいと言って買い取ったから、誰かが注文しても絶版ということになりました。
 再版の条件を調べたところ、刊行してから1年以内ということになっていたから、この本が世に出ることはもうないの
 です。

6.23  
 今回宿泊した八王子のビジネスホテルは、各部屋ごと無線LANでインターネットが接続できることになって
 いる。
 フロントでターミナルを借りて、接続してみたのだが繋がらない。問い合わせに対して、窓際は電波が弱いか
 ら入り口のドアのそばまでターミナルを持っていくようにとのこと。
 そこにはテーブルなど備え付けてられていないから、床の上にコンピューターを置き、座り込んで操作をすることに
 なる。
 そうやって繋がることはできたけれど、150Mもある私のホームページのデーターを転送することができず、途中で
 停まってしまい進まない。
 結局、私のホームページは更新の途中、半分が真っ白のままでお手上げだ。

6.22  
 上田から八王子に移動する関越自動車道を走行中に聞いたラジオで、W杯のブラジル戦は明日の朝行われること
 を知った。
 私は、試合の日を1日間違えていた。
 明日は仕事があるし、4時に起きるために早く寝ると原稿が書けないし、どうしたものかただいま思案中です。

6.21  
 車に搭載しているレーダー探知機が、「トラップゾーンです。お気を付けください!」と騒ぐけれど、
 何を気をつければいいのかわからない。
 インターネットで調べてみたところ、レーダー探知機のメーカーはいくつも検索することができるけ
 れど、肝心の を解説しているサイトは見あたらない。
 いったい、どういう意味なのだろうか?

6.20  
 よく、手術の前とあととで体質が変わったことはないかと訊かれる。
 今のところはっきりしているのはひとつだけ。
 生まれてからずっと下痢気味だったのが、逆に便秘気味になってしまったこと。
 だから、朝の定期便をきちんと済ませるのに苦労している。
 病室に備え付けられていたウォッシュレットの水勢は強烈だった。我が家のやつもあのくらいの勢いが欲しい。

6.19  
 銀行から電話がかかってきたという。おばあちゃんが出たので用件は聞かなかったが、内容はだいたい
 推測することができる。
 それは、口座にまとまったお金が入ったから、定期預金にしませんかというものだと思う。ガン保険の給
       付金が振り込まれて少し経ってからの出来事だった。
 私がこの仕事を始めた頃、毎月決まったお金が入ってくるのをキャッチされ、営業の勧めに負けて定額預金を始め
 たことがある。
 個人情報保護法はちょっと行き過ぎの感があるけれど、個人の口座が監視されているというのは、あまり気持ちの
 いいものではない。

6.18  
 いよいよ半袖が必要な陽気になってきたので、朝のうち衣替えのための衣類の入れ替えを行った。
 首まわりがきつくて着られなかったワイシャツが、ちょうどいいのを通り越してゆるゆるになっていた。
 もう履くのをあきらめたけれど、捨てるのが惜しくて取っておいたスラックスが、日の目を見るようになった。
 先日久しぶりに会った人が、「おじさんの雰囲気を持った部分が消えて、ずいぶん若々しくなったね」と言ってくれた
 ので、これ以上体重が増えないようにコントロールしていくのです。

6.17  
 事務所に、小型の冷蔵庫を設置した。
 入院していたとき、病室に備え付けられていた冷蔵庫にいろいろな飲み物を入れておき、お見舞いに来てくれた人
 に、「どれでも好きなのを選んで飲んで!」なんて言って勧めたことが心地よかったから、同じことをしようと思った。
 事務所に来る人などほとんどいないけれど、一応お茶やコーヒーや紅茶やコーラなんかを、病室と同じように準備し
 ておくのです。
 あっ、病室ではできなかった、ビールなんかも揃えておくよ!

6.16  
 1週間みっちり仕事をすると、やっぱり疲れるなあというのが今日の実感だ。
 単行本の原稿の〆切が7月いっぱいで、逆算すると毎日ふたつのテーマを仕上げていかなければな
 らないことになるから、それを自分自身へのノルマとしている。
 幸い、パソコンに向かえさえすれば文章が浮かんでくるけれど、これはこれで密度の高い集中力を要
 求される。
 どうやら、今年の夏は、遊ぶことを考える余裕はなさそうだ。

6.15  
 ホテルをチェックアウトしようとしたところ、何だか首のあたりがスースーするのに気が付いた。なんとネクタイをする
 のを忘れていたのだ。ネクタイは、ホテルの部屋のロッカーに掛かっていた。
 先日も、大阪の会社で目の前で手渡しされたものを、持たずに帰ろうとして引き止められた。
 このように、まだ手術の後遺症が思考と記憶の回路に影響を及ぼしているらしい。
 もっと致命的がミスがないように、しばらくの間は気をつけなくっちゃ!

6.14  
 今夜の移動は、名古屋から千葉県市原市まで、走行距離はなんと430km。
 東名高速道路を、通しで走ったのは今回が初めてだ。
 高速道路上で、ナビゲーションの画面の指示がめちゃめちゃになってしまい焦った。
 SAに止めてしばらくしていたら直ったからよかったものの、ナビゲーションが動作しなけれ
 ば目的地には着けなかった。
 車の走行距離のゾロ目をいつも撮影していて、今回は無理だと思っていたけれど、ちょうど
 のSAの場所と一致したので撮影することができました。

 毎晩原稿を書くことをノルマにしているけれど、今夜だけはとてもそんな気にはなれないのです。

6.13  
 私の頭にはツムジがふたつあって、それがぶつかり合うてっぺんの毛がおった立ったってしまうのです。
 朝など型がまとまらなくて困ったのが、パーマをかけ始めた理由でした。
 今回の入院にあたって、の毛をできるだけ短くしたところ、若々しくなったとみんなに好評なのです。
 かといって、ドライヤーを使って型を整えるほどのおしゃれ心はないから、どうしようかと思案中なのです。

6.12
 ことごとく相手にボールを拾われて、自軍のゴールの前でさえも相手にボールを支配されて、実際の点差以上に
 実力の違いがあるのがはっきりしたオーストラリア戦だった。
 何かが決定的に欠けている日本チームの完敗。観客にこんなにフラストレーションを与えるような試合ではだめだ。
 20歳の宮里藍が、がぜん輝いて見える。
 
6.11  
 もうずっと前から、セカンドバックのジッパーがうまく閉まらなくなっていた。
 きちんと閉まる確率は50%以下。角度やスピードを変えると閉まるときがあるので、何とかそれ
 で対応して使っていた。
 今日は、自分への全快祝いのつもりで、ダンヒルのセカンドバックを買った。
 また元通りの生活ができる喜びを、ささやかな贅沢で祝福だ!
6.10  
 水曜日はお客様の会社の宿泊施設だったからだめで、木曜日のホテルは無線ランの設定があった
 けれどプログラムをインストールしなければだったから面倒くさくてと、2日間インターネットを接続し
 ないとOutlook Expressの中はすごいことになっている。
 昨夜は開いて目を通しただけで、処理は今日になってしまったのだが、7日にも書いた迷惑メールの
 処理にかなりの時間を費やすことになる。
 これだけ迷惑メールが多いと、心配なのは必要なメールまでもがその中に紛れ込んでしまうこと。
 今日も、危ういのが1通あって、念のために開いてみたところ、初めてメールをくれた人のお床上げへのお礼だった。

6.9  
 現在の体重は66kg。
 入院前が72kgだったから、6kgくらい痩せたことになる。
 もうこれ以上は痩せたくないし、元のように肥満気味になっても困るから、自己管理をするためにグラフを付けはじめ
 た。
 1日5回に分けて食事を取らなければならないのだけれど、仕事をしているとなかなかそれができないのです。

6.8  
 本格的に仕事を再開した第1日目、やはり体も頭もなまっていて、言葉がきちんと発せられない、考えがなかなか
 浮かんでこない。
 それでも、半日もしたら元に戻ってきたようで、「朝は幾分ぼんやりしていたけれど、昼になったら目の輝きがもう仕
 事のパターンになっている」と、その会社の方がおっしゃってくれた。
 仕事が、現場に出ることが、何よりものリハビリだった。

6.7  
 毎日、おびただしい数の迷惑メールが送られてきて、ひとつずつ着信拒否の設定をするのだけれど、そんなことが
 仕事になってしまっている。
 sherimo.comなどという単純なアドレスだから、自動送信機の餌食にかかりやすいのかもしれない。
 最近は、文字化けしたような題名のメールがよく来るけれど、皆さんはどう対処していますか?

6.6  
 思うように体力が戻らないので、幾分気弱になっていた面があったけれど、2週間ぶりに
 主治医の中山先生にお会いしたら、元気が戻ってきた。
 (大きな声では言えないけれど)もうお酒を飲んでもいいし、ゴルフをしてもいいと言ってく
 れた。そして、カルテに「アルコール、ゴルフ許可」と書いていた。
 超音波で検診した手術のあとは良好で、ドレインの穴の抜糸も終わり、次の通院は1ヶ月
 後になった。
 さあ明日から、いよいよ仕事をスタートさせます。

6.5  
 宮里藍が単独首位で迎えたショップライト・クラシックの最終日。朝からゴルフチャンネルで放映される生中継を見
 るのを楽しみにしていた。
 上位にいた選手がバーディを連発する中、ボギーが続いた宮里藍はどんどん引き離されていく。
 最終組にいるというのに、そのうちにテレビの画面に登場すらしなくなっちゃった。

6.4  
 お見舞いのお返しの「お床上げ」の準備に翻弄された。
 いただいたお見舞いは90件以上、これだけ多くの皆さんに支えられて元気になりつつあるのです。
 午後には親戚の方のお見舞いに行ったけれど、やっぱり病院は雰囲気が暗くて、あまり居たくはない場所といった
 イメージだ。
 それに比べると、私が入院していた伊那中央病院はまるでホテルのようだった。こんなことも早い回復に影響して
 いるのかもしれない。

6.3  
 試みに、自宅の庭でゴルフクラブを振り回してみたけれど、見事なまでに当たらないしフォームになってい
 ない。
 体自身が、このくらいのひねりに絶えられるようになっているのはうれしい。
 室内で見ていた長男が、「もうゴルフをやっている」と怒っているので、少し打っただけでやめた。

6.2  
 昨日は5時半に起きて、八王子の新しいお客様の会社に行ってきた。
 打ち合わせを2時間くらいして、家に戻ってきたのは午後1時。そのときはすこぶる順調だったのだけれど、今日に
 なって疲れがどっと出て、まだまだ病み上がりだということを実感させられた。
 退院のときに、担当の医師に「みんなどのくらいの期間リハビリをするのですか?」と訊いたところ、「1ヶ月くらいブ
 ラブラしているみたいだぞ」との答えが返ってきたけれど、そうばかりも言っていられない。
 いずれにしても来週の火曜日が退院後初めての通院。そのときの結果でそれからの行動を判断するのです。

6.1  
 5月の会計の締めをしたけれど、仕事をしなかったものだから、領収書がほとんどなくて処理が楽だった。
 いつもこうならいいのだけれど、仕事をしなくても固定費は口座から引き落とされていく。
 そうなんだよ。来月は収入が全くないことを自覚しなくっちゃ!