5.31 |
朝5時半には目が覚めていたのに、サッカーのドイツ戦を見過ごしてしまった。明日の朝行われるとばかり思っていた。
「このチームになって、最高のゲームだったと思う」と、中田英寿に言わしめた試合を見たかった。
退院後の朝の日課は、お散歩と庭の草取り。だから点が動いたサッカーの後半戦は観ることができたのに。
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5.30 |
さあ、いよいよ仕事が始まった。
体調が戻ってくると、なんて心地よい休息なんだろう、なんて思ってしまう。
だから、仕事を半分にしてもいいかななどと半分本気で考えていたけれど、明日、新しいお客さんを紹介してくれる
そうだ。
もう物理的に無理なような気がするけれど、頼まれると断れないかもしれない。
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5.29 |
退院して自宅に帰ってきてからは、不思議なくらいよく眠れる。
以前だと、眠りにつけるかどうか不安を抱えながらベッドに入り、必ず左肩を下にして膝を抱くよ
うにしないと眠りに入っていかれなかったものが、今は大の字の状態のままでも睡魔が訪れて
くれる。
よほど体の芯まで疲れ切っているのか、はたまた手術をきっかけにして体質が変わったのかの
どちらかだが、願わくば後者であって欲しいと思っている。
今日は事務所に出て仕事のまねごとをした。考えることはこれほどまでも疲れるものかと、 感
じているようではまだだめだ。
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5.28 |
NHKのハイビジョン放送で中継されていたので、本当に久しぶりに日本のプロ野球の試合を真面目に観た。
試合はセ・パ交流戦の「巨人」対「ロッテ」の東京ドーム決戦。
どこか小粒になった巨人は、若手がはつらつとしていて好感がもてたけれど、試合運びはロッテの方が一枚も二枚
も上のようだった。
気になったのは、鳴り物入りの応援のうるさいこと。組織的な叫び声も耳について仕方がなかった。
どうやら、大リーグの試合の「シンプルさ」が、私の中の標準になってしまったようだ。
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5.27 |
朝、窓の外に竹の竿が立てかけられているのに気が付いた。その先っぽには網が張られており、なんとツバメの
巣がそれで覆われている。おじいさんが「雀が巣に入る」のを防ぐために、とった処置だという。
その結果、肝心のツバメまで寄りつかなくなってしまった。
私が早く退院できたのは、お医者さんや看護婦(師)さんの指示を100%受け入れ、それを実行してきたから。
考えてみたって分かる。プロである彼らの判断に比べて、素人の私の判断の方が正しいわけがない。だから、疑
問に思ったことは訊くけれど、私自身は判断をしてはいけない。これを徹底して貫いたのである。
自然の流れのままに身を横たえて、すべてをまわりの環境や条件に委ねること。これがなかなかできないから、と
きには生きるのが辛くなったりするのだ。
だから、野生の動物の生態に、人間が細工をしてはいけない。せっかく我が家を選んで巣作りをしたツバメたちが、
どこかに行ってしまったことが悲しい。
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5.26 |
入院して3日めの5月10日に、本の出版が正式に決定しましたと、日刊工業新聞社から連絡がありまし
た。
題名と、初版の発行部数と、価格も決まったとのことでした。
「負担でなければ連載を始めます」と、工場管理の編集部からメールが届きました。
5月は全然仕事をしないから、いっぱい原稿が書けると思っていたけれど、とてもそれどころではありません。
私のテンションが、いっこうに向上しないのです。だから、今週は割り切って静養させていただき、来週からいろいろ
なことに着手しようと思っています。
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5.25 |
2週間の入院で、体重が5kgほど落ちた。
理論的には、ベストの体重になったのだけれど、今度はこれを維持しなければならない。
一度にたくさんの量を食べることができないから、5回に分けて食事を採っている。食べなければ体力がつかない
し、食べれば食べたで体重が増加しそうだから、こまめに体重計に乗ることを心がけている。
きのう張り切って動いた反動なのか、今日は一日中頭がすっきりしない。買い物に行って出会った人が、どこの誰
だったかどうしても思い出せないほどだ。
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5.24 |
久しぶりに帰ってきた自宅では、増築した住居にツバメが巣を作っていた。
2週間も空けると、まわりの風景が様変わりしている。田んぼの土手の緑は一段と濃くなり、咲いてる花々の構成
も前とはかなり異なっていた。
想像以上に体力がなくなっているため、少し動いただけでめまいがするような状態。ただ、もう寝ていても病状が良
くなるなんてことはないから、体を慣らすために少しずつ動き始めるのです。
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5.23 |
午前中に退院しました。
手術後の経過がすこぶる順調で、ひとつひとつのステップを滞りなくクリヤーしてきた結果
です。
もちろん本人の治りたい強い気持ちと努力が実ったのだけれど、いいえ、それよりも皆さん
の応援と励ましが私を支えてくれました。本当にありがとうございました。
2週間のリハビリ期間を経て、社会復帰する予定です。
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5.22 |
前もって打ち合わせをしてはいないのに、お見舞いのお客様が不思議とかち合わないのはなぜだろう。
病室が個室で居心地がいいものだから、みんなそれぞれ長居をしてくれる。
その都度、病状と手術後の経過を説明するのだけれど、同じことを何度繰り返してもそれは快い疲れなのです。
この病院のメンバーはよく教育されていて、サービスのレベルとしてはかなり高い。私が病院に抱いていた悪いイ
メージは、いい方向にぶちこわされている。
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5.21 |
優駿牝馬 (オークス、G1) 東京競馬場は、狙い通りのレース結果だった。
1着になったカワカミプリンセスを軸にして、馬連の相手は、2着になったフサイチパンドラも、3着の
アサヒライジングも、4着のアドマイヤキッスも、5着のニシノフジムスメも買ってあった。
ということは、3連単でもよかったことになる。 3連単は164,300 円もついたのにね。
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5.20 |
今日は、朝から夕方まで、ほとんどひっきりなしにお見舞いの来客があった。
傷口の糸が抜かれ、点滴は最後のひと袋が終わった。あとは、自分自身の胃袋でエネルギーを補給していくことに
なる。
昨夜は睡眠薬に頼らずに眠ってみたけれど、ほんの30分ほどで目が覚めてしまった。
睡眠不足は体力の回復を遅れさせるというから、入院中は割り切って睡眠薬のお世話になるのです。
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5.19 |
午前中に中継される大リーグの試合を毎日でも見られる環境なのに、ちょうどのタイミング
で松井が骨折してしまったから楽しさ半減だ。
その代わりでもないのだけれど、今まではあまり興味がなかった大相撲中継を見るように
なっている。
把瑠都ってやつは、従来の相撲のパターンが通用しない底知れないパワーを秘めている。
白鵬は憎たらしいくらい落ち着いて相手の動きを見ているし、雅山は気迫が前面に出てい
て気持ちがいい。
どうしても日本人のひいきをしてしまうから、あと3日間、雅山を応援してみよう。
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5.18 |
昼食からは三分菜。
煮魚は鱈の肉の形がわかる大きさになった。野菜のクリーム煮は、人参やブロッコリーにきちんとした味がついて
いる。それに、野菜ジュースはお店で売っているような紙パックで供給された。
夕食は、卵とじや南瓜の裏ごしなどという本格的な内容。そして何よりもすごいのはみそスープが出たこと。やっぱ
り日本人は味噌汁がいちばんなのです。
こんなたわいもないことに感激しながら、順調な回復ぶりです!
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5.17 |
こうやってコンピュータに文字を入力すると、キーを操作するタイミングと位置が微妙にずれてしま
うため、ちっとも文章になりやしない。
新聞の活字を目で追っていても、目だけは先にどんどん進んでいき、内容までは全然理解できて
いない。
やっといろいろやってみようという気になったけれど、このように基本能力が全く欠如してしまって
いる状態だ。
今日から重湯やくず湯など液状の食事を取り始めている。1日5食、わずかな量を30分かけて食
べ、そのあとの30分は消化を促すために横になってはいけない。
体を動かせるようになったはいいけれど、大変な作業が負荷されている。
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5.16 |
夜眠ろうとしてまぶたを閉じると、いろいろな画面がまぶたのウラでめまぐるしく変化をしていて、とても眠りにつけ
るものではないのです。それだけ、精神が高ぶっているのでしょう。
それでも昨夜は、久しぶりにまとまった時間の睡眠を取ることができました。
今朝は、お茶を飲む許可が出て、飲んだところ胃はしくしくと痛みで反応してくれた。
おしっこの管も抜け、自力でトイレに行かれるようにもなりました。
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5.15 |
9時半に手術室に入って、出てきたのは3時半頃になっていたそうです。6時間もかかった経緯はまだ本人は聞い
ていません。
それから3日間、痛くて、苦しくて、動けなくて、テレビさえも見る気がしませんでした。
そしてやっと今日、体の中に5本入っていた管が2本抜け、少しだけ歩けるようになったところです。
鼻から胃に通されていた管がなくなって、ずいぶん楽になりました。そんなわけで、苦しかったけれど一応順調で
す。
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5.12 |
手術を担当してくれるのは、「中山 中」という冗談みたいな名前の先生。
昨日、「睡眠をきちんと取って体調を整えておいてくださいね」と私が言ったら、「お酒を飲むかもしれない!」などと
いう冗談が返ってくるような気さくな先生だ。
9時から14時まで、手術の時間は5時間ほど取ってあるという。
いずれにしても、今日は集中治療室に入って、病室に戻るのは土曜日か日曜日になるそうだ。
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5.11 |
おへそのお掃除をしてもらって、アンダーヘアーは上の方だけ少し剃られて、絶食をし下剤を
飲んで臨戦体制なのです。
手術の説明を聞くと怖いことばかりですが、本人は麻酔の中にいますので、あっという間に終
わってしまうのでしょう。
たくさんの励ましのメールありがとうございました。たいへん勇気づけられました。
今夜病院内で、笑点に出演している林家木久蔵さんの落語があり、いい気分転換になったの
です。
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5.10 |
少し早めに入院したのは、血糖値が高めだったからです。
血糖値が高いと、手術後の回復が遅くなるのだそうです。
食事の前と就寝時に、耳や指から血液を採取して測定するのですが、食事のカロリーを押さえていることもあって、
基準値の範囲におさまっています。
インシュリンによる治療も必要ではないようで、予定通り明後日の手術は決行の見込みです。
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5.9 |
懺悔(ざんげ)です。
『他人に聞こえるひとりごと』 の 『気功が私を守ってくれる』に、「森田さんは癌には罹りませんと整体
の先生から保証されている」などと書きました。そればかりでなく、「もし癌に罹ったら笑ってね!」と、
いろいろな人に言いふらしていました。
今年のエーブリールフールです。まだ何もはっきりしていなかったのに、「検査の結果は最悪でした。
転移がなければいいのですが……」などというメールを、当時親しかった人に送ってしまいました。
いろいろな言動は、いつかは自分の身に降りかかってくると言われるけれど、滅多なことを言うものではありません。
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5.8 |
入院第1日目。
14時に病室に入りました。個室に入りたかったので「特別室」にしてもらったけれど、
へたなホテルよりは豪華な設備が整っています。
お風呂は広いし、冷蔵庫は2台もあるし、IH完備のキッチンルームには電子レンジ
まで備え付けられているのです。
早速インターネットを接続してもらって、いただいたメールの返信をしました。
あと3日間は、ゆっくりとした時間の流れの中で、おだやかな心を取り戻すのです。
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5.7 |
4月10日に癌の告知をされました。
2月7日に受診した人間ドックのバリウム検査で、異常所見があるから専門医の精密
検査を受けるようにと言われ、3月14日に胃カメラによる検査を受けました。
そのときは、癌の可能性は極めて薄いけれど念のために組織を採取するとのことでし
たが、その結果を知らされたのが4月10日でした。
症状は早期胃癌で、静脈に造影剤を注入してのCT検査では、リンパ節への転移は認められませんでした。
内視鏡による手術も可能なのですが、私の癌は印環細胞癌と言って、スキルス胃癌というたちの悪い癌になってい
くものですから、リンパ節も含めた患部の摘出をした方が、後への影響を完全になくすことができるということで、胃
を2/3切り取る手術を受けることになりました。
明日8日に入院して、12日(金)に手術を受けます。
そんなわけで、6月の第1週までは全てのお仕事をお休みさせていただくことになりました。
いろいろとご迷惑をおかけするわけですが、よろしくお願いします。
いろいろと落ち込むばかりの日々でしたが、事実ときちんと向き合わなければなりません。
手術後約2週間で退院できる予定です。
体重は10kgほど減ると言われましたが、気力は今までよりもさらにパワーアップして戻ってくるつもりでいます。
その節はあたたかく迎えてやってください。
それでは行ってきます。
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5.6 |
東京に行ってきた。
行き帰りのあずさは思ったよりも混んでいなかった。みんな、連休の過ごし方が上手になっているね。
連休も残すはあと一日。毎日ぐうたらしていて、まとまったことは何もできなかった。
でも、これが、最も連休らしい過ごし方なのかもしれない。
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5.5 |
柱(はしら)のきずは おととしの 五月五日の 背くらべ
粽(ちまき)たべたべ 兄さんが 計(はか)ってくれた 背のたけ
きのうくらべりゃ 何(なん)のこと やっと羽織(はおり)の 紐(ひも)のたけ
柱に凭(もた)れりゃ すぐ見える 遠いお山も 背くらべ
雲の上まで 顔だして てんでに背伸(せのび) していても
雪の帽子(ぼうし)を ぬいでさえ 一はやっぱり 富士の山
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5.4 |
フィットネスクラブのサウナに入っていたら、いつものおじさんたちとは異なる雰囲気の青年が入ってき
た。
逆三角形の厚い胸板、いくつもに割れた腹筋、そしてもっこりしたお尻。マッチョマンではなく、何かのス
ポーツで鍛え上げられた肉体だ。
私にそっちの気はまったくないけれど、しばらくのあいだ見惚れていた。
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5.3 |
連休でやって来ていた弟たちと、地区内にある「ふるさとの丘」でマレットゴルフをやった。
伊那谷と中央アルプスを一望することができる高台に、36ホールのコースが設置されている。
持ち慣れないスティックでボールを打つものだから、思うように飛ばなかったけれど、芽吹きが始まった木々たちに
囲まれて、のんびりとした連休を楽しんでいるのです。
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5.2 |
塩尻市の「信州健康ランド」でアカスリをしてもらった。
前回のことはよく覚えていないけれど、3年ぶりくらいになるのだろう。
肌をふやけさせるために30分くらい湯船に浸かって、体の隅々までヤスリのような手袋でこすってもらったけれど、
まあたくさんの垢が取れること。
健康ランドの中にある中華料理屋さんは「男性デー」で、ランチに生ビールの小が無料でついた。野菜湯麺と半チ
ャーハンを食べたら眠たくなって、憩いの部屋で昼寝までしちゃった。
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5.1 |
メーデーに出なくなってからもう何年経つのだろうか?
東京の代々木公園に林立する赤旗は、当時の闘う労働運動を象徴していた。
労働運動が衰退したことと同期を取るようにしてメーデーが「お祭り化」し、今ではセレモニーとしての意味さえ持た
なくなってしまっている。
あの頃のメーデーに参加した人たちは、今どんな思いで日常を送っているのだろうか。
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