モノ作りの改善 コストダウン リードタイムの短縮 品質改善


  在庫削減

予測は当たらない   

    1ヶ月後の円が高くなるのか安くなるのか、あるいは株式の市
    場がどう変化するのかを、はたして予測できる人がいるでしょ
    うか?
    たとえ予測できたとしても、必ず当たるという保証はありません。
    経営は博打(ばくち)の世界ではありませんから、予測で材料
    や部品を買うとたいへんな負担を抱えることになります。
    営業の担当が、市場の動向をきちんと捉えるのも大事なこと
    ですが、「予測は当たらない」時代であることを、まずは念頭に
    置くべきです。
 



発注残に注目 

    在庫というと、とかく資材倉庫の中にある部品に目がいきがちです
    が、私は次のように分類しています。
        発注残 ----- すでに発注してあり、いつかは代金を支払わ
                 なければならな いもの
        倉庫内 ----- 納品され、工程に渡す(出庫)前のもの
        仕掛かり ---- 工程での着手前、着手中、あるいは修理前の
                 もの
        製品 ------- 出荷待ち、もしくは注文待ちのもの
    この中で、発注残は目に見えない分、それだけ始末が悪いのです。
 



調達リードタイムは何日?   

    材料や部品を購入する場合、20日とか30日とかいったリー
    ドタイムが設定されています。
    しかし、これらの条件を全部満たしていたのでは、お客様に対
    する製品の納期が確保できません。
    考えてみてください。注文先に品物さえあれば、リードタイム
    はゼロになるのです。要は、いかにしてその条件を作り出す
    かです。
    相手先の材料手配からカウントしていたのでは、リードタイム
    は何日あっても足りません。
 



  まずは欠品をなくすこと 

   倉庫にたくさんの在庫を抱えている工場ほど、生産開始時の欠品
   が多い傾向にあるようです。
   見込みで材料を調達するまではいいとしても、発注したらしっ放し
   ではいけません。
   まずは納期の回答をいただくことから着手します。一定の期間内
   に納期回答をいただくことにより、遅延する部品をあらかじめ把握
   できれば、何らかの手を打つことができます。
   この作業を進める中から、調達先と調整しなければならないいろ
   いろな問題点が見えてきます。
 



納期確認ラインを設置します 

 

   問題を顕在化させるために、間接部門をライン化します。
    @ 業務の流れの順序に工程を並べる。
      ・ 人に業務を付加させるのではなく、業務のプロセスの必要
        とする工数に人が入っていくという考え方です。
    A 作業に必要なものはその場にすべて用意します。
      ・ 発注→納期確認→督促の作業はラインの中で行い、コ
        ンピュータ、FAX、資料の入ったファイルなどをその場に
        用意します。 
    B 仕掛かりを明確にする。
      ・ どの工程の、どの仕事が終わっていないかが、目で見て
        わかるようにします。
    C 問題を顕在化させる。
      ・ 納期未回答メーカー、納期を確保できない部品、それに
        対するアクションの状態が、そこに行けば誰にでもわかる
        ようにするのです。
 



  倉庫は廃止する 

    倉庫を持つといった発想からは在庫は削減できません。
    現場のラインサイドにストアーを設置し、
      そこから出てくる信号により発注が起こる。
         → 受け入れられた部品は直接ストアーに納入される。
    このことにより、欠品ゼロ、ピッキングゼロ、管理ゼロ、そして在
    庫の削減が実現できます。
 
 



実需材料調達の実行    

    @ 先の見通しを情報として提示し、
    A いつも決まった数量の注文が、
    B ある程度一定した周期で発生するのなら、
    C 調達リードタイムをを5日にできないものだろうか。

    この条件を、サプライヤーと一緒になって作り出します。
    現場の在庫から発注の信号が出るようにし、実際に使用した量に応じて発
    注が起きるようにします。
    そうすれば、部品の在庫を押さえ込みながら、受注の変動にも対応するこ
    とができるようになります。