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 ISO14001  環境マネジメントシステムの構築

 経営に何が求められているか


 社会への貢献、利害関係者との共
 生、環境保全、情報公開
 

  ・ 以前は規模や売り上げ・利益の大きさ
   で評価されていた。
  ・ 大量生産・大量流通・大量消費・大量廃
   棄からの転換。
 
 環境に関する新しい価値観への変革 
  ・ 持続的に発展できる経済社会が先進国
   に共通する価値観。
  ・ 自然および社会との「共生」のための循
   環型社会への誘導。
  ・ ライフスタイルの見直しと技術革新。

 決断に際して考慮すべき内容 
  ・ 新しい価値観に基づく顧客満足と社会
   満足。
  ・ このことにより、企業間に差別化 が生じ
   る。




 環境問題が今後企業に与える影響

   環境保全に対して、公平な
 役割分担が求められる
 

  ・ 費用をかけている企業とそうでない企
   業が発生することになる。
  ・ISO14001の取得が求められるようにな
  る。
 
 グリーン調達の圧力が強まる    ・ ISO14001は、取り引き先に自社の環境
   に関する考え方や要望を伝達する こと
   になっている。
  ・ 企業は、調達にあたって、グリーンな製
   品とサービスを選別し始める。
 
 情報の公開が求められる
  ・ 環境問題に関する利害関係者は、消費
   者・周辺住民・行政・環境保護団体など
   多岐にわたるものになる。
  ・ 環境方針は、第三者が入手できるよう
   に義務づけられている。
 



ISO14001に取り組む理由

 ビジネスの視点 
  ・ 大きな潮流は無視できない。
  ・ 取り引きで不利な立場になりたくない。
  ・ コンペティターに負けたくない。
  ・ 企業のイメージアップに結びつけたい。
 
 内部マネジメントの視点 
  ・ 環境保全への社会的責任を果たしたい。
  ・ 体質強化に役立てたい。
  ・ リスク管理に役立てたい。
  ・ マネジメント能力を向上させたい。
  ・ 結果として、経費節減になる。
 



 直接効果

    環境リスクの回避 
  ・土壌汚染・水質汚濁・大気汚染などの環境
   規制強化に対して先行対応することによっ
   て、必要なコストを最小限にできる。
  ・ 将来、製品回収が義務づけられたり、リサ
    イクルをしなければならないことに先行し
    て取り組み、発生するコストを押さえ込む
    こ とができる。
 
 環境コスト(経費)の削減 
  ・ 廃棄物の発生を押さえ込むことにより、処
    理コストが急増していくことに対応できる。
  ・ エネルギーや資源を有効活用でき、効率
    も向上させられる。
 
 取り引き関係の改善強化 
  ・ 取引先からの取得要請に応え、良好な関
    係を維持・強化できる。

 
 企業信用力の向上 
  ・ 地域社会と共存・共栄していかれる。
  ・ 資金調達時、評価の向上が期待できる。
 



 間接効果

 経営革新の実現 
  ・「環境」を前面に出し、「継続的」に続けなければな
   らないISO14001の導入を、これから進めていく経
   営革新の軸にすることができる。
  ・ 従来の経営革新の側面支援ができる。
 

 
 新規事業開発の推進 
  ・ 今まで「困難な課題」として避けてきた「環境負荷
    軽減策」を実行し結果を出すことにより、その対
    策案を「商品化」する可能性ができる。
 
 企業市民としての
       責任遵守
 

  ・ 経営活動に伴って排出されるものには、環境に
    悪い影響を与えるものが多い。企業の責任は
    大きいといえる。
  ・ 地球環境の維持・保全を目的とするISO14001
    導入は、企業市民としての責任果たす上での必
    要条件となってくる。

 



ISO14001導入手順

 ステップ 1   ● トップの号令    ・ まずはトップが必要性を感じること 
 ● 検討部隊の結成    ・ 判断材料を集め整理する人が必要 
 ● 情報収集    ・ 環境側面の抽出 → 取り組みの方向を見定める
  ・ ISO14001の理解 → 背景・精神・内容を理解する
  ・ 同業他社の動き → 競合他社より優位に立ちたい
  ・ 取り引き先の意向 → 取得要請はどのくらいあるのか
  ・ 利害関係者 → 行政・地域住民のニーズの程度は
  ・ 従業員・株主・保険会社・顧客・環境保護団体の意向
  ・ 社会的関心が経営にに与える影響はどの程度か
 
 ● 導入計画    ・ 導入目的と期待効果を明らかにする・ 導入コストを把握す 
   る
  ・ 実施事項を明確にする・社内体制を整える ・ スケジュー
   ルを立てる・審査登録機関の候補をあげる
 ステップ 2   ● トップの決断    ・ 導入への強い意欲を見せる
  ・ 強力なリーダーシップが必要
 
 ステップ 3   ● 組織の整備    ・ 環境方針を策定しそれを周知させる
  ・ 必要な資源を用意する → 人的資源・特殊技能・技術・資金
  ・ 環境管理責任者の選定とスタッフ編成
 
 ● ビジネスプロセス分析    ・ ライフサイクル的思考をベースにものごとを考える
  ・ 現状の業務を系統的に区分する作業
 
 ● 法律・条例などの情報収集    ・ 環境に関連するものを全部集める 
 ● 環境側面抽出    ・ 環境に影響を与えていると思われる業務と、その現象をリ
   ストアップする
 
 ● 環境影響評価    ・ それがどの程度の影響なのかを測定し、評価する 
 ステップ 4   ● 環境方針制定    ・ 広く社会に発表することができる、企業としての理念と方
    向性を定める
 
 ● 目的・目標の設定    ・ 環境に影響している側面をどのくらいまで削減するのか目
    標を決める 
 
 ● 環境マネジメント
   プログラムラム確立
 
  ・ どうやって削減させていくのか、そのプロセスを組み立てる 
 ● 検証システム確立    ・ 法的要求事項に留意し、削減の結果を監視し測定する方
    法を明らかにする
 
 ● 内部監査体制    ・ 自分たちで作った仕組みの問題を、自分たちで見つけ出
   す体制を構築する
 
 ステップ 5   ● 業務実行    ・ 環境マネジメントプログラムラムで決めた内容を実行する 
 ● 記録    ・ 活動の経過と結果を文書に記録する 
 ● 内部監査・是正    ・ 結果をもとにして、現状のシステムや方法に対する問題を
    明らかにし、それを正していく
 
 ステップ 6   ● 認証    ・ 審査機関の審査を受け、認証を取得する 
 ステップ 7   ● マネジメントレビュー    ・ 経営者の目で、環境マネジメントシステムを見直す 
 ステップ 8   ● 新しい方針・目的・目標   ・ マネジメントレビューの結果を受け、問題を解決させるた
    めの新しい方向を打ち出す



 自己宣言


  ISO14001の序文と適用範囲には、この規格(ISO
   4001)は認証登録のためだけではなく、「自己宣言」
   にも使えることが明記されている。
 
  
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   自己宣言というのは、その企業の環境への取り組み
   (とりわけ環境マネジメントシステム)がISO14001
   の要求事項を満たしていること(適合している)ことを
   その企業(の経営者)が自ら評価・判定(決定)し、そ
   のことを自らの責任で表明(宣言)すること。

 

   自己宣言の信憑性・信頼性を確保するためには、客
   観性が不可欠。
   客観性とは、ISO14001に適合していることの客観
   的な裏付け。その評価は、自画自賛の独りよがりに
   なってしまってはいけない。

 
  
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   ISO9001の場合は利害関係者は主に商売相手の
   顧客であるから、その顧客の信頼・満足を得るために
   は、第三者である審査登録機関から認証を取得しな
   ければならない性格のもの。

 

  
ところが、ISO14001の場合の利害関係者は多岐に
  わたり、環境保全という社会的ニーズ(というより自主
  的にやるべき当然のこと)に応えていることを表明す
  るのには、どちらかというと自発的な自己宣言の方が
  素直ではないか。
 
   
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  方法としては      @ 審査機関によるISO14001の認証を取得しておき、有効期限が切れるのを機会に
                    更新審査の受診をやめ自己宣言に切り替える。
                 A 審査機関に模擬審査を依頼し、適合証明書を発行してもらう。
                    最終的な説明責任が発生するのは自己宣言を行う企業自身。
                 B すべてを自らの判断で自己宣言するもの。
  まだ あまり例はないが、ISO14001の質が既存の取得企業よりも明らかに高い場合、社会が認めてくれるはず。