「逆光」 の表紙です。

             窓から差し込んでくる光をイメージしました。  

             これもガリ版刷りです。

             「雨音」で懲りたので、塗りつぶしの部分を少なくしました。

                    発行  1978.6.20       部数  300

 

 

 

 

 

                 「逆光」 あとがき です。  

           全部ガリ版刷りです。

           もし可能でしたら、もう少し拡大してみてください。

                文字が鮮明になります。

 

 


          あとがきに掲載した「うた」


          カンパリソーダとフライドポテト
                            よしだたくろう

           両手には 小さな夢と
           こぼれない程の 満たされた気持ち
           くずけかけた 砂の家で
           男と女が 暮らしを始めた
           幸福 (しあわせ) だよねと 笑みを絶やさず
           懐かしい歌を 二人でくちずさむ

           ささやかな夢は あくまで遠く
           傷つき合う日は あくまで近く
           淋しさ寄り添い 温めあえば
           人と人とは ひとつと信じて
           壊される前に 二人で出発 (たびだ)
           昔の友より 明日の二人

           心を開く 隙間をもちたい
           閉ざしたままで 時をおくるな
           一人がいやで 肩よせた筈
           子供のように はしゃいだ日々もいい
           風にまかれる 人生がある
           たくましさだけで 疲れるよりはいい

           心はふたつ 身体もふたつ
           ひとつになりたい 願いは同じ
           青い空見て はぐれた雲の
           行方を追えば 涙も乾く
           運命 (さだめ) があると 思えるならば
           寒さをしのぐ 寝ぐらはひとつ

           君の身体は 心をいやし
           僕の心は 君を突きさす
           くずれかけた 砂の家で
           木の葉のように 舞うだけ舞えばいい
           朝陽を見たかい 嵐の中にも
           懐かしい歌が 聞こえてくるだろう