レモンティ



          薄暗い喫茶店の片隅
          小さい机と
          白いテーブルクロス
          冷えたレモンティが
          ふたつ

          くちびるを噛んでいるのは
          あなた
          頬杖をついているのは
          ぼく

          冷たいコンクリートの床に
          目を落としたまま
          顔を上げない
          細い肩が
          小刻みに震えて・・・・・

          レモンティがふたつ
          ひとつは空っぽ
          もうひとつは
          スプーンの上に
          レモンが乗ったまま

          あのメロディは
          確か
          カーペンターズの
          「ふたりの誓い」

                      (1971.10.28)