お登紀さん



          肌が白いなあというのが
          最初に感じたことでした
          くちびるがやわらかそうだなあと
          その次に思いました
          テレビや写真で見ても
          「抱きたい」というのには
          ほど遠いイメージだったのですが・・・・・

          松本厚生文化会館という
          さほど広くないホールの
          前から4番目の席で
          あなたを見ていました

          労音のステージにあなたがのぼるのは
          ちょっとおかしいんじゃないかなと思うけれど
          それでも
          屈託のない笑顔と
          2時間以上歌いとおしても
          ちっともかれることのない声が
          今でも 私の中ではずんでいます

          「カオルのうた」や
          「美しき5月のパリ」などのたたかいのうたを
          もっとたくさん聴きたかったけれど
          今度は<ほろ酔いコンサート>に行きたいし
          やっぱり差しで歌いたいと思うのは
          単に あなたとの距離が近かった
          という理由だけではないのでしょう

                          (1979.10.12)