Nなどへの讃歌



          カモシカのようなきれいな足
          長いまつげと
          幼な児のような
          澄み切っていて
          なにかを夢見ているチャーミングな瞳
          桜貝を思わせるそのくちびるは
          なにをねだっているの

          君が笑うと小鳥がさえずり
          君が歩くとワルツが流れる
          君が泣くとボクがよろこび
          君が転ぶとみんながよろこぶ

          晴れている日は 
          それほど気がつかないけれど
          曇っていると
          ひときわ輝きを増すその存在

          化粧する女なんかバカなんだよ
          くちびるがつつましく見えても
          目がパッチリ見えても
          頬がふっくらと見えても
          それがなにになるんだい?
 

          現実におぼれる女なんか
          バカなんだよ

             感情を表に出せないやつもバカなんだよ
          うれしいことを素直に喜べないやつも
          悲しいとき
          涙を流して泣けないやつも
          みんな みんな
          バカなんだよ
          バカヤロー
          早く死んじまえ!

          ・・・・・・・・・

          ありがとう。

                            (1970.8.21)