結婚式



          私が
          結婚式の司会をお断りしたのは
          自分の行き方を
          他人に押しつけたいのではなくて
          他人の生き方のために
          自分自身の生き様を
          あいまいにしたくなかったからです

          すでに決められていた
          家と家のつながりからくる仲人を拒否したり
          三々九度をしなかったり
          ワルシャワ労働歌で入場したり
          新郎新婦の横に両親をならべたり
          会社代表に挨拶を頼まなかったり
          会場の椅子の配置をバラバラにしたり
          1500円の会費で運営したことなどを
          きちんと位置付けておきたかったからです

          いま
          「常識」となっている
          いや そうさせられていることを
          ひとつひとつこわしていくことが
          私の闘いです

          親や
          親戚や
          地域の人間関係にしばられて
          だんだん動けなくさせられます
          だから
          結婚式という
          新しい世界を切り拓く場こそ
          「儀式」にしてはいけないのです
          少なくとも
          「社会変革」をめざす者にとっては

                         (1979.3.15)