痛み

               〜三里塚闘争から〜


          長野県社会福祉事業団職員就業規則
           第19条の2
            職員が次の各号のいずれかに該当するときは
            懲戒解雇する
             (7) 刑事事件に関する罪をおかしたとき

          4月4日
          関東郵政局は
          「成田空港」の管制塔ゲリラ事件で
          逮捕された2人を
          懲戒免職処分にする

          4月17日
          日本電電公社と郵政省は
          事件に加わり
          千葉地検から起訴された関係者8人を
          懲戒免職処分にすることを決め
          同日付で発令する

          4月18日
          国鉄は
          「成田空港」反対闘争で逮捕起訴された国鉄職員に
          懲戒免職処分を通告する

          彼らを「過激派」と呼び
          「暴力」を否定することはできる
          「左」翼日和見主義との規定をし
          批判することだってできる
          口ではなんとでも言える

          日本共産党は
          反対同盟の幹部に
          何人もの党員を抱えながら
          「合法闘争」の枠を乗り越えられず
          開港を前提とした
          院内交渉しかできないでいる

          確かに
          権力が彼らをある程度泳がし
          反権力闘争につながるすべての運動の
          弾圧強化を狙っていることや
          大衆から遊離した闘いが
          反革命の要素を持っていることを
          きちんと捉えていかなければならないが

          実力開港阻止を打ち出した
          農民の気持が
          わかるなんて決して言わない
          だが
          自衛隊解体を国会で決議しても
          存在そのものはなくならないように
          本当の闘いとは
          理屈や理論だけではなくて
          力と力のぶつかり合いだということは
          わかっているつもりだ

          権力は
          国家的威信を傷つけられたと
          12年間におよぶ農民無視の政策をまったく反省せずに
          ピストルの使用や
          空港警備隊の新設や
          団結小屋の撤去や
          「成田新法」の制定などにより
          力による抑圧と封じ込め策を
          これからも強行しようとしている

          建造物不法侵入
          公務執行妨害
          凶器準備集合
          火炎瓶取締法違反
          航空法違反
          そして
          はじめて適用されようとしている
          航空危険罪を併合させれば
          最高20年の課刑が可能になるという
          そればかりでなく
          殺人未遂罪まで適用する動きすらある

          彼らの正義はいつ報われるのだろうか
          彼らの行動はいつ正当化されるのであろうか

          ベトナムに
          砂川に
          沖縄に
          いつも痛みを感じていた
          その痛みは
          実際に行動している者からみれば
          たいへん甘いものであることを
          充分知っていながら

          「開港阻止8日間闘争」でまた
          心に痛みを感じている