いらだたしさよ



          風も吹かないのに
          木の葉が舞い落ち
          日がさしているのに
          地面はぬれている
          どこかでなにかが狂っている

          小川に行って笹舟浮かべよう
          流れに乗ってスイスイ進むよ
          おだやかな昼下がり
          おたまじゃくしが欠伸をしてら

          人間なんて
          自分の弱い面を克服しながら
          生きてゆくもの
          調子のいい奴は
          自分自身に怯えているんだ
          自分を甘やかさないだけの
          きびしさを持ちたい

          好んで崩れていくものに
          手なんか差しのべる必要ない
          たたきのめされてから
          気がついたほうがいい
          そこからはい上がってくればいい

          アタタカサを心にしまって
          ツメタイ人間になろう

                        (1970.7.10)