ぼんやりしきって



          何もしたくないときは
          ぼんやりしていたっていい
          何かをしなくてはならないときでも
          ぼんやりしていることが
          いちばんふさわしいと思えるのなら
          何にも手をつけず
          ぼんやりしていよう

          待つことは嫌いだったから
          自分でぶつかることにのみ
          おのれの存在感を肌で感じ
          それがいつか
          自信となっていたけれど

          何回かの停滞があり 
          それを乗り越えてきたということは
          ぼんやりしていたときに
          次へのステップのための
          力をたくわえていたのか

          そんなときのぼんやりは
          もっととらえどころがあって
          胸の奥がうずくような
          苦しさが伴なっていた

          腹立たしくもなく
          いらいらもせず
          指にも力が入らない
          なにより
          ぼんやりしきっている自分には
          いま こうやってぼんやりしていること自体
          どういうことなのか
          よくはわからない