あつし 2



          「あつしくんねえ
           大きくなったら なにになる?」

          「ええと
           ぽっぽのる」

          2才と3ヶ月になったあつしは
          どんどん言葉を覚えて
          それらをつなげることにより
          自分の意志を表現できるようになってきた

          おやじは
          いつもおまえの前を歩いていきたいし
          おまえに影響を与えたいし
          おまえに乗り越えられたくないという
          おかしなプライドを
          捨てきれないでいるが

          おまえは
          目で見 手でさわり
          足で踏みつけて
          いろいろなことを
          自分の中に取り入れていく

          手を引こうとしても
          それを振り切って
          どんどん駆け出していく

          おやじが
          おまえにできることは
          いつまでも
          おまえの「おとうさん」である
          というだけなのかもしれない