18才



          青春とは
          恋愛がすべてだと考え
          形式的な恋愛の芽を探すことに
          毎日のほとんどを費やしている人たちに
          大きな羨望を感じながらも
          そんな外見ばかりの輝きが
          本当の青春ではないと
          今のわれわれには
          他にやっておくべきことがありはしないかと
          そんなあやふやな確信を
          自分に押しつけている

          10代という言葉の
          甘い響きにおぼれてはいけない
          もう、一人の人間として
          生きてゆかなければならない
          今の1日が極めて重要に思えて
          後で悔やむことのないように過ごそうと努力をするが
          苦労はさけても
          結局楽しく生きさえすれば
          それでいいじゃないかという
          甘い誘いが頭の中をよぎる
          かろうじて踏みこたえていられるのは
          自分を見つめる時間があるから

          ひとり
          淋しいこともある
          ひとり
          いやになることもある
          でも自分のためには
          これがいちばんいいのだと言い聞かせる
          家に帰らないのは
          弱い心になるのが怖いから?
          親の顔を見ることによって
          決意が崩れてしまうのが怖いから?

          これから先
          どうすればいいのかわからない
          今日はこれでいい
          でも明日は・・・・・
          たくさんの迷いが目の前に現われ
          進む道をぼかす
          「18才」
          若いじゃないか
          今のうちに
          得られるものはできるだけ得ておこう
          当分の間は
          遠い日のことは考えずに
          毎日を気力を持って生きてゆこう

                            (1968.11.22)